최근 수정 시각 : 2023-10-31 13:28:16

ゼロ・クロニクル ~はじまりの罪~

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1. ゼロ・クロニクル ~はじまりの罪~
1.1. NORMAL
1.1.1. 白の王国辺縁部
1.1.1.1. Story 1-1ずっとずっと昔のこと1.1.1.2. Quest 1-1地からの侵略者1.1.1.3. Quest 1-2広がる闇1.1.1.4. Story 1-2光の守護者たち
1.1.2. 白王宮周辺
1.1.2.1. Story- 2-1ソウルのつぼみの1.1.2.2. Quest 2-1清浄なるソウル1.1.2.3. Quest 2-2光に守られし国1.1.2.4. Story 2-2光の王
1.1.3. 黒の町
1.1.3.1. Story 3-1大地の人々1.1.3.2. Quest 3-1泥に生きる国1.1.3.3. Quest 3-2魔の地の暮らし1.1.3.4. Story 3-2闇の王
1.1.4. 飛行島戦艦
1.1.4.1. Quest 4-1狭間の蒼1.1.4.2. Story 4-1天の大陸を目指して1.1.4.3. Quest 4-2板挟みの碧空1.1.4.4. Story 4-2白の巫女の祈り 1.1.4.5. Quest 4-3灰色の雲1.1.4.6. Story 4-3黒の使い
1.1.5. 白の町
1.1.5.1. Story 5-1珍しい者1.1.5.2. Quest 5-1正義なる国1.1.5.3. Quest 5-2疑念なき民1.1.5.4. Story 5-2光の謁見
1.1.6. 天地の狭間
1.1.6.1. Story 6-1<均衡>を破壊する者1.1.6.2. Story 6-2未来への捕縛
1.1.7. 白の王宮
1.1.7.1. story 7-1感謝の意1.1.7.2. Story- 7-2いつかあの子が1.1.7.3. Story 7-3気高き白猫
1.1.8. 黒の市街地
1.1.8.1. Story 8-1泥にまみれた黒猫1.1.8.2. Story 8-2 <約束>
1.1.9. 黒の大地
1.1.9.1. Story 9-1剣士の心1.1.9.2. Quest 9-1大地の修行1.1.9.3. Story 9-2日常の終わり1.1.9.4. Quest 9-2戦乱の予兆1.1.9.5. Quest 9-3高まる緊張1.1.9.6. Story 9-3宝冠と賢者
1.1.10. 黒の市街地
1.1.10.1. Story 10-1黒の王子1.1.10.2. Quest 10-2連行1.1.10.3. Story 10-2後継者1.1.10.4. Quest 10-3同じ黒でも1.1.10.5. Story 10-3導き
1.1.11. はるか天空
1.1.11.1. Story11-1 世界の両端1.1.11.2. Quest11-1 総力戦1.1.11.3. Ouest11-2 全面戦争1.1.11.4. Story11-2 七つの力
1.1.12. 始祖のルーンの問
1.1.12.1. Quest 12-1光の劣勢1.1.12.2. Story 12-1大いなる始祖のルーン1.1.12.3. Quest 12-2 それぞれの願う者1.1.12.4. Story 12-2 使命の懐疑1.1.12.5. Story 12-3 〜序章〜闇の猫と光の猫1.1.12.6. Quest 12-3 神話の終わり1.1.12.7. Story 12-4 はじまりの罪
1.2. CHRONICLE
1.2.1. 白の王国辺縁部
1.2.1.1. Story 1-1孤独の王1.2.1.2. Quest 1-1光と風と1.2.1.3. Quest 1-2増長する本能1.2.1.4. Story- 1-2闇の膨張
1.2.2. 白の王宮周辺
1.2.2.1. Story 2-1やがて栄えし、 森よ1.2.2.2. Quest 2-1木々の祖先1.2.2.3. Quest 2-2精霊の住まう天空1.2.2.4. Story 2-2精霊の宝冠
1.2.3. 黒の町
1.2.3.1. Story 3-1姫様はご機嫌ナナメ1.2.3.2. Quest 3-1魔性の地表1.2.3.3. Quest 3-2荒れ地の魔獣1.2.3.4. Story 3-2ほのかな思慕
1.2.4. 飛行島戦艦
1.2.4.1. Story 4-1兵卒のうた1.2.4.2. Quest 4-1漕ぎ手の嘆き1.2.4.3. Quest 4-2沈黙の人足1.2.4.4. Quest 4-3労働の喜び1.2.4.5. Story 4-2真の隊長
1.2.5. 白の町
1.2.5.1. Story 5-1似た者同士1.2.5.2. Quest 5-1揺れる足取り1.2.5.3. Quest 5-2回る天井1.2.5.4. Story 5-2交流の効用
1.2.6. 天地の狭間
1.2.6.1. Story 6-1どうしてまだここに1.2.6.2. Quest 6-1白き回廊1.2.6.3. Quest 6-2光の城郭1.2.6.4. Story 6-2光の騎士団長
1.2.7. 白の王宮
1.2.7.1. Story7-1 不思議な人1.2.7.2. Quest7-1 あたたかな印象1.2.7.3. Quest7-2不確かな信頼1.2.7.4. Story 7-2出来ることには限りがあるから
1.2.8. 白の監獄
1.2.8.1. Story 8-1頭の整理1.2.8.2. Quest 8-1穏やかな闇1.2.8.3. Quest 8-2思索の森1.2.8.4. Story 8-2密かな想い
1.2.9. 黒の大地
1.2.9.1. Quest9-1 黒き漂い1.2.9.2. Story9-1 家族として1.2.9.3. Quest 9-2魔獣の息吹き1.2.9.4. Quest 9-3闇の滞留1.2.9.5. Story 9-2王と宝冠
1.2.10. 黒の市街地
1.2.10.1. Quest 10-1戦争の影響1.2.10.2. Story 10-1スレスレの大人1.2.10.3. Quest 10-2犠牲の民1.2.10.4. Quest 10-3徴発1.2.10.5. Story 10-2監視の時勢
1.2.11. はるか天空
1.2.11.1. Story 11-1持つてる子1.2.11.2. Quest 11-1空域のない戦争1.2.11.3. Quest 11-2生と死の境界1.2.11.4. Story 11-2憎悪の芽
1.2.12. 始祖のルーンの問
1.2.12.1. Ouest- 12-11.2.12.2. Ouest- 12-2黒と白の決壊1.2.12.3. Story 12-1彼方よりのつぶやき1.2.12.4. Ouest- 12-3悲劇の引き金1.2.12.5. Story 12-2罪のはじまり
2. 思い出
2.1. 闇の王子
2.1.1. 思い出12.1.2. 思い出22.1.3. 思い出32.1.4. 思い出42.1.5. 思い出52.1.6. 思い出6
2.2. 光の王
2.2.1. 思い出12.2.2. 思い出22.2.3. 思い出32.2.4. 思い出42.2.5. 思い出52.2.6. 思い出6

1. ゼロ・クロニクル ~はじまりの罪~

1.1. NORMAL

1.1.1. 白の王国辺縁部

1.1.1.1. Story 1-1ずっとずっと昔のこと

ずっとずっと昔のこと


はるかな天空に浮かぶ
美しい王国



その玉座で丸まる
気高き白猫に

泥にまみれた黒猫が
恋をした。



それが
すべてのはじまり───



ZERO
CHRONICLE
ゼロ•クロニクル
~はじまりの罪~



アイリス:
空が───軋む───

<始祖のルーン >は渡さない───

───闇よ───消え去れ───!!!



1.1.1.2. Quest 1-1地からの侵略者
1.1.1.3. Quest 1-2広がる闇
1.1.1.4. Story 1-2光の守護者たち




アイリス
───ルーンよ、 我が意に従え。


(KARIDA,LUX,BLAN,LUCEM,BOOM……!)

幾条ものルーンの光が、



───はあっ!
アイリスの全身から


アイリス:
……はぁ……はぁ……
…………っ……! ?
───遠ざかっていきながら!



アイリス:
……まだこれほどっ……!



???:
王を守れ!

臆するな、 光の騎士よ!
ルーンの加護は、 我らにあり!



アイリス:
ファイオス…… !



ファイオス:
< >の魔物に、 白の王国を汚させるな!

ファイオスの号令一下、



???:
援護を!



はい!



???:
巫女が司りしルーンよ……
我らにも、 幾ばくかの力を
貸し与えたまえ───

───光よ!
盾となり、 邪を弾け! '''

額にルーンをはめた



ファイオス:
助かったぞ、 シーマ!
この機を逃すな! 追い散らせ!


剣と盾に光をまとわせ、
奮戦する騎士たちが、 徐
々に魔物を押し返していく───



アイリス:
……やはり……膨張している……

このままでは……
…… いずれ、 <均衡 >は……





1.1.2. 白王宮周辺

1.1.2.1. Story- 2-1ソウルのつぼみの




???:
……おかしいなぁ…… ?
ソウルは十分に行き渡ってる
はずなんだけど…… ?



ファイオス:
水が足りないんじゃないか?
テオ?



テオ:
あ! おかえり、 兄ちゃん!



ファイオス:
ただいま。それか、 日光か。
お前は初歩的なところを
見落としがちだからな。



テオ:
そんなことないよ! 今回は!



ファイオス:
まだ、 つぼみだな。



テオ:
清浄なソウルがたくさんあれば、
花が開くはずなんだけど……



ファイオス:
……清浄なソウル、 か……



テオ:
あ! お仕事、 どうだったの! ?
怪我とかしてない! ?



ファイオス:
兄ちゃんの腕を見くびるなよ。
< 闇 >なんかに遅れはとらないさ。



テオ:
さっすが~!



シーマ:
兄様、 私の援護魔法を
忘れていませんか?



テオ:
姉ちゃんも! おかえり〜!



ファイオス:
援護魔法……?  そうだったか?



シーマ:
まあ! 確かに聞きました!
『助かったぞ、 シーマ』 と!



ファイオス:
ははは、 冗談さ。



シーマ:
<>と戦っているのは
騎士たちだけではないのですよ?

私たち魔道士も、
命を賭しているのですから。



ファイオス:
ああ……
それに…… アイリス様も。



シーマ:
…………



テオ:
王様、 強いよね!
今度こそ<>をやっつけたんでしょ! ? オ



ファイオス:
いいや、 とどめには至らなかった。



シーマ:
始祖のルーンの力なら、
不可能ではないはずですけど。



ファイオス:
全ての力を使い果たすわけには
いかないさ。

シーマ、 お前だって、
額のティアラから
ルーンの加護を得てるじゃないか。



シーマ:
そうでしたわね。
……ですが、 少し、 思うところも。



テオ:
姉ちゃん?



シーマ:
<均衡 >には<>も不可欠……
その躊躇があるのではないかと……



ファイオス:
…… シーマ、 この場だけだぞ。
アイリス様は、 全霊をもって
<闇の王 >を討つおつもりだ。



シーマ:
それであれば。
光の騎士団長ともなれば、
私よりも、 アイリス様のお考えを
よく知っていますものね。



ファイオス:
俺はわかっているからいいが……
あまりそういう言い方をするなよ?



シーマ:
心得ております。
私とて、 一隊を預かる
宮廷魔道士ですもの。



テオ:
うん!
兄ちゃんも姉ちゃんも、
僕の自慢さ!



シーマ:
まあ、 テオったら。



テオ:
僕もおっきくなったら
騎士団長になって、
王様のために戦うんだ!



ファイオス:
言ったな。 じゃあ俺はどうする?



テオ:
副団長ににんめーしてしんぜよ─!



ファイオス:
はは─、 団長様の命とあらば。



テオ:
うむ!



シーマ:
ふふふふ……♪



1.1.2.2. Quest 2-1清浄なるソウル
1.1.2.3. Quest 2-2光に守られし国
1.1.2.4. Story 2-2光の王




側近:
───様!

アイリス様!
いかがなされました?



アイリス:
……え……?



側近:
やはりお力の使い過ぎで……



アイリス:
……いいえ。 心配は無用です。

<光の王 >───アイリスは、




アイリス:
───これで幾度目でしょう。
<>の侵攻は。

今回も、 辛くも退けましたが、
次も上手くいくとは限りません。



側近:
< >は、 やはり……?



アイリス:
<闇の王 >……
あの本能の化身は、
ますます密度を濃くしています。

私の力も、 いつまで通用するか……



側近:
…………



???:
アイリス様。



アイリス:
あなたはエルフ族の長、
アランティアですね。



アランティア:
この場を借りて申し上げます。
我ら妖精族と精霊族は、
一つの結論に至りました。



アイリス:
それは?



アランティア:
力の強い妖精と精霊を選りすぐり
一人一人が糸となり、絹と織り───

───宝冠と化するのです。



側近:
なんと…… !



アランティア:
さすればソウルは
その相互作用を、 さらに
高めることでございましょう。

選ばれし者に、
宝冠をお授けください。

その者、 潜在能力全てを解放し、
<>を裂く切っ先となりましょう。



アイリス:
ですが、それでは……



アランティア:
ご心配には及びません。
豊穣なる地の純粋なソウルより、
我らは生まれます。

<闇の王 >を仕留めることが、
第一に優先すべきこと。



アイリス:
…………



側近:
これは、 名案です…… !
よくぞ言ってくださいましたな!



アランティア:
我らも同じくこの国の民。
王国の平和を願えばこそ。

全ての生命が命を振り絞らねば、
討てぬ相手でありましょう。



アイリス:
…………



側近:
準備を進めておくよう、
お願いいたします。
よいですな、 アイリス様。



アイリス:
…… ええ。



アランティア:
はっ……



アイリス:
そう…… 命を惜しんでいては、
勝つことは叶いません。

皆には心苦しいですが、
より一層の軍備と調練を。



側近:
はっ。



アイリス:
……ですが……

その先の、 平和な世界を、
皆には生きてもらいたい……

先陣は───私が───!



側近:
アイリス様……




1.1.3. 黒の町

1.1.3.1. Story 3-1大地の人々




商人:
さあさあ見てって!
こんなご時世だが、
暗い顔してちゃ始まらない!

小麦に果物、 酒もあるよ!
どこよりも安くて上質だ!
さあさあ見てって見てって!



兵士:
しっ。



商人:
ん?


兵士たちを引き連れた美女が、


商人:
いまのは……?



兵士:
黒の姫、 グローザ様だ。



商人:
ああ、 灰緑の魔障の!
噂に違わぬ美しさだねぇ!



兵士:
おい、 不敬だぞ。
王の後継者を輩出する、
公爵家のご令嬢だ。

人と魔性、
どちらからも高貴な血を
受け継いでいらっしゃる。



商人:
ずいぶん不満顔だったが、
何かあったのかねぇ?



兵士:
オヤジ……あんた、
怖いもの知らずだな……



商人:
これくらいじゃなきゃ、
いまの時代、 仕入れもなにも
出来やしないさ。



兵士:
遠征するという噂だ。



商人:
へぇ。 白の王国との
決戦を目前にして?



兵士:
おい、 その話、 誰に聞いた?



商人:
みんな言ってるさ。
しかし不思議なもんだな。
グローザ様は
雷の使い手だって話なのに。

戦力を分散してる
場合じゃないと思うけどねぇ。



兵士:
そんなこと俺にはわからん。



商人:
後継者の件で揉めたのかねぇ?



兵士:
そこまでだ。 これ以上は、
聞かなかったフリも苦しい。

オヤジ、 りんごを一個だ。



商人:
へい、 まいど!



1.1.3.2. Quest 3-1泥に生きる国
1.1.3.3. Quest 3-2魔の地の暮らし
1.1.3.4. Story 3-2闇の王




ヴアルアス:
…………

黒の王国、 王宮───

緊張した面持ちで、



魔物隊長:
…… 暗黒騎士ヴァルアス殿。
陛下はいつお戻りになるのか。



ヴァルアス:
聞いてどうする?




魔物隊長:
申し上げたい儀がある。



ヴァルアス:
なんだ?




魔物隊長:
此度の出兵でも、
犠牲となったのは我が眷属ばかり。

言わせてもらう。
これ以上、 無益な戦を
続けるべきではない。

黒の民は、
侵略するだけの蛮族ではないのだ!



ヴァルアス:
…………



魔物隊長:
聞いているのかヴァルア───!?




ヴァルアス:
つ! ?

<>は見る間に濃くなり、



視界が通る程度に薄くなった時には、


ヴァルアス:
……!



闇の王:
…………



ヴァルアス:
……陛下自ら手を下すほどでは。
命じて下されば、 私が───! ?


!?




魔物兵:
そっ、 そんな…… ! ?


う、うわぁああああ……! ?




ヴァルアス:
……っ……!

<>は広間を埋め尽くし───
見通しが良くなった。


ヴァルアス:
……陛下……



闇の王:
何故、 天など在るか。

全ての空間は無の<{{#DAA520 闇 }}}>へ帰する。

光の差す隙間など、
途上の幻想に過ぎぬ。

黒く塗り潰せ。
地も、 天も、 何もかも……




ヴァルアス:
…… 陛下の望むままに。

ですが、 兵力を失するのは、
得策ではないかと……



闇の王:
<>に恭順するは、 黒の者の使命。



ヴァルアス:
…… 仰せの通りにございます。



闇の王:
白は天に…… 黒は地に……

居並ぶ意味などどこにもない。

我は安らぎとなるだろう。
あらゆる場所が、
黒く塗りつぶされたその時に。

そのためには、
空に住まう半端な存在を
叩き落とさねばならぬ。



ヴァルアス:
はっ。



闇の王:
…… だが、 その前に……



ヴァルアス:
世界の<我儘 >……バール……



闇の王:
そうだ。

我が後継者…… 役に立ててやれ。

次の代など、 もはや意味を成さぬ。



ヴァルアス:
…………




1.1.4. 飛行島戦艦

1.1.4.1. Quest 4-1狭間の蒼
1.1.4.2. Story 4-1天の大陸を目指して



───時は少し遡り───



???:
まったく……この任務の
肩身の狭さ、
ご理解頂きたいもんだがね。

特使…… なんて言ったところで。
戦争中の敵国なんだぜ。

馬鹿げた話さ……

ワリを食うのはいつだって末端だ。
白の方も、 その点、
おんなじなんだろ─な。

見ろよ…… 優雅にブカブカ
浮いてやがるが……

なんのことはねぇ。
住民たちは、 結局二本の脚で
あそこを歩いてるんだぜ。

どこに争う理由があるってんだ?
先に馬鹿だって気づいた方が、
やめちまえばいいんだろうが……

……やれやれ、 だが、 仕事だ。
文句垂れてちゃ生きちゃいけねぇ。
王の意向は絶対でござい、 と……

さあ、 もうすぐだ。
罵声を浴びに行こうや。

…………



1.1.4.3. Quest 4-2板挟みの碧空
1.1.4.4. Story 4-2白の巫女の祈り



白の王宮、 始祖のルーンの間


アイリス:
……始祖のルーンよ……
我らに、 ご加護を……

───始祖のルーン───
この世界が天と地、
───代々の<光の王 >に、


アイリス:
……弱気になっちゃダメ……


…… 今は、 私が王なんだから……
私がなんとかしなくちゃ……



シーマ:
そうしていると、 <光の王 >より
<白の巫女 >の名の方が
しっくりきますね。


あまりご自分を責めませぬよう。
無理なこととは存じていますが。




アイリス:
シーマさん……



シーマ:
さん、 なんかよしてください。
あなたが王ではないですか、
アイリス様。



アイリス:
そうですけど……
いいじゃないですか。

シーマさんは、 私にとって、
大切な姉のような方です。
共に、 修練に励んで……



シーマ:
そしてあなたが勝ったわ。




アイリス:
それは……



シーマ:
恨んでいるわけじゃないのよ。
仕方のないことだもの。
客観視すればあなたの方が適任だわ。




アイリス:
…………



シーマ:
ねえ、 覚えてる?



アイリス:
え?



シーマ:
先代の<光の王 >のこと。




アイリス:
……いいえ。



シーマ:
不思議よね……
あなたが王位に就く前に、
いらっしゃったことだけは
覚えているのだけど……


はっきりとしたことは
思い出せないの。 姿は? 声は?
会っていたはずなのに。



アイリス:
私、 なんとなくわかるんです。



シーマ:
へえ?



アイリス:
蓄積は必要ないんです。
<均衡 >を保つためには。

常に同じ状態であれば
いいのですから。




シーマ:
始祖のルーンが教えてくれるの?



アイリス:
そう…… ですね。




シーマ:
そ。
なら、 私には知りようもないけど、
そう言うのならそうなのでしょうね。

ただ、 少し哀れだわ。




アイリス:
哀れ?



シーマ:
ええ。 <>という存在が。
役目を終えれば、
後継者にすら忘れられるなんて。



アイリス:
私は平気です。
とうに、 覚悟しています。



シーマ:
でも、 哀れよ。
私のような一般市民の
目からすればね。



アイリス:
…… かもしれませんね。



シーマ:
あら、 こんなことを言いに来た
わけじゃないの。 あなたを
探して呼びに来たんだったわ。

アイリス様。
黒の王国より、 使者が。



アイリス:
わかりました。



シーマ:
宣戦布告をしておいて、
どの面下げて、 と思いますけどね。




アイリス:
いいえ、 それは違います。
黒の王国も、 民は同じ……

ただ…… <>が暴走し、
破滅へと連れ回しているだけ……




シーマ:
そうかしら。



アイリス:
<闇の王 >が次の代となれば、
再び<均衡 >は守られるでしょう。




シーマ:
そのときあなたは
忘れ去られているかも
しれないわよ?

幾度も<闇の王 >を退けた、
その功績も、 誰の記憶にも
残っていないかも。



アイリス:
構いません。
平和な未来が来るのならば。



シーマ:
そう……

いい子ね。




アイリス:
そんな……



シーマ:
じゃあ、 そろそろ向かって
くれるかしら?



アイリス:
あ、 はい。

……?



シーマ:
どうしたの? ほら、早く。




アイリス:
あ、はい……

(……何かしら……?)



1.1.4.5. Quest 4-3灰色の雲
1.1.4.6. Story 4-3黒の使い




ファイオス:
───黒の使いか。



???:
入国の通達は届いているかと。
王の書状もここに。



ファイオス:
…………



???:
敵意はない。
剣を降ろされよ。



ファイオス:
どの口がほざくか。



???:
貴公の感情は理解出来る。
しかし私も、 ただ、 使いの身。

また、 ここで追い返す権限も、
貴公にはないはずだ。



ファイオス:
急に暴れた。
だから斬った。
それを疑う者はいない。



???:
<光の王>もか。



ファイオス:
王に危険が迫らぬよう、
お守りするのが騎士の務め。



???:
そんなに目を吊り上げないでくれ。
……そうそう。
俺は独り言が趣味でな。



ファイオス:
家でやれ。 土壁は音も吸うだろう。



???:
戦争になんの意味がある。
やめちまえばいいんだ。



ファイオス:
貴様らから仕掛けたのだろうが。



???:
ウチはトップが狂ってやがる。
なのに、 誰一人逆らえやしねぇ。
それもそのはずだ。

<始祖のルーン >……
地にはそれがない代わりに、
王がハソ丿モ丿なんだからな。



ファイオス:
…………



???:
大半の国民は、
気にしちゃいねえかもしれねぇ。

自分たちの未来が、
トップの意思で勝手に決まる。
それはそういうもんかもしれねぇ。



ファイオス:
何が言いたい。



???:
だが、 俺たち軍属は違う。
戦争なんざ、 したくねぇ。



ファイオス:
ここで愚痴るより、
国に戻って進言したらどうだ。



???:
そうすりゃ…… コレよ。

男は親指で、





ファイオス:
命惜しさに愚行に手を貸すか、
これだから黒の民は……



???:
まったくもって同感だぜ。
早く代替わり
してもらいたいもんだ。



ファイオス:
……ほう。



???:
知っての通り、 これまでの
<闇の王 >は違った。

内心どう思ってたか知らねえが……
大人しく、 地上だけに
留まってたって話だろ?



ファイオス:
俺もそう聞いてはいる。



???:
俺もそうさ。 なら、 きっと事実だ。
まあ、 詳しいことは、
なんでか覚えちゃいねえんだが……



ファイオス:
…………



???:
ともかく、 辛抱してりゃあ
いずれ別人が王になる。

そのときのために……
俺たちが仲良くすることは、
無駄じゃないと思うがね?



ファイオス:
知らん。 俺はただの騎士だ。



???:
えーっ。



ファイオス:
なんだよ?



???:
あんた、 さっきの言葉、 言葉!
主を正しい方向に導くのも、
臣下の務めだろ?



ファイオス:
貴様は出来ないことを、
俺にはやれというのか。



???:
あんたにゃ出来そうだからさ。



ファイオス:
…… ふん。

お前、名は?



アデル:
アデル。



ファイオス:
アデル。 斬り捨てるのは
保留にしてやる。

黒の民には珍しく、
お前は物がわかりそうだ。



アデル:
珍しくはねえんだけどな。



ファイオス:
ここで待て。
しかるべき手続きをしてやる。



アデル:
へっ……

思った通りだ。
誰だっておんなじさ。

どこで生まれたかなんて……




1.1.5. 白の町

1.1.5.1. Story 5-1珍しい者




アデル:
……言葉を返してやりたいね。
てめぇの方が、 よっぽど
珍しいじゃねえか。



子供の声:
あー、 悪魔だー!



母親の声:
しっ、 見ちゃいけません。



アデル:
おやおや……偏見だねえ。

国民の意識改革は、
どちらにとっても重要課題……
……ってトコだな。



ファイオス:
何をぶつぶつ言っている。
特使サマだろ、 行儀良くしろ。



アデル:
言ったろ、 趣味なのさ、
独り言がよ。



ファイオス:
いまのもそうか?



アデル:
はっ。
騎士団長ファイオス殿、
ご同行、 感謝いたします。



ファイオス:
……我らの先導は
王城の入り口まで。

そこで待て。
迎えの者を寄越す。



アデル:
それでよいのですか?



ファイオス:
<光の王 >が、
騎士より弱いとでも?



アデル:
愚問でした。



ファイオス:
その言葉づかいも、
正式ではないからな。

帰りはいつだ?



アデル:
交渉に滞りなくば今日にでも。

と、言いたいところですが、
いずれにしろ細部の折衝に、
数日はかかるでしょう。

色よい返事がもらえぬのなら、
説得させて頂きたく思いますし。



ファイオス:
迷惑な話だ。



アデル:
重々承知ではございますが。



ファイオス:
騎士の宿舎も近い。
様子を見に来るぞ。



アデル:
騎士団長殿に、
自由に特使サマと会う権限が?



ファイオス:
許可を得ればいいのだろうが。
いつまでしゃべっている。



アデル:
ここで待て、 と。



ファイオス:
……着いていたか。
いいか、 妙な気を起こすなよ。
生きて帰りたくばな。



アデル:
はい。



ファイオス:
ふん。



アデル:
…………



1.1.5.2. Quest 5-1正義なる国
1.1.5.3. Quest 5-2疑念なき民
クリア条件: ボスグループ_
1.1.5.4. Story 5-2光の謁見




側近:
こちらでお待ちください。



アデル:
はっ。



側近:
…………



アデル:
( おうおう、 目が物語ってやがる)

『 汚らわしい黒の民は、 、 か)


( それが窓口の態度かよ)



側近:
……特使など……
わざわざ王が会うほどの……



アデル:
…………



側近:
……ごほん。



アデル:
( おめぇらが無能だから、 王が
引っ張り出されてんだろうか)



側近:
…………



アデル:
……!

…………



アイリス:
お待たせしました。


アデル:
…………



側近:
特使殿?



アデル



……黒の王国より参りました、
アデル・バダンテールと申します。


王に代わり参上した無礼、
どうかご容赦ください。



アイリス:
書状、 読みました。




アデル:
はっ。



アイリス:
現在、 白の王国と黒の王国は、
決して良好な関係ではありません。

それどころか、
いずれかを滅ぼすところまで、
進んでしまいかねないでしょう。



アデル:
おっしゃる通りです。



アイリス:
なのに…… 盟約を?




アデル:
古来より、 敵の敵は
味方とは言わぬまでも、
共闘は可能とされております。




アイリス:
……確かに、 <あれ >は、
きまぐれのようにこの国へ赴き、
いたずらに害を為します。

ですが───破壊の化身、
バールを討ち取ったのち───

<闇の王 >の矛先が向くのは、
ここを置いてありません。



アデル:
当代のままであれば。



アイリス:
…………



アデル:
黒の王国としては、
白の王国との、 末永くの
<均衡 >を望んでいます。




側近:
お言葉ですが、
それは<闇の王 >のご意向か?



アデル:
はい。




側近:
矛盾しておられるように思うが?




アデル:
私に計れるような
お方ではありませぬゆえ。
ただ、 そうと。



側近:
俄かには信じがたい話だ……



アデル:
いかがでしょう?
<光の王 >アイリス様?



アイリス:
…………


アデル:
また………私が把握している限り、
王の在位は、相当の年数に
達しております。


……ですので……



アイリス:
…………

信用しましょう。



側近:
アイリス様!?



アイリス:
国の代表としての、その言葉を。


アデル:
はっ。



側近:
……ぬうう……!




1.1.6. 天地の狭間

1.1.6.1. Story 6-1<均衡>を破壊する者




ヴァルアス:
───我が剣よ───
───虚空よりいでよ!

くらええッ!!

───ほの暗く燃ゆるような



バール:
───ハハハハハハハハ……!

どうした、小僧?
儂と遊んで欲しいのか?



ヴァルアス:
くっ.....!?

在るだけで


ヴァルアス:
なっ.....!?



バール:
そう焦るなよ。
すぐに小僧の番は来る。

くくくく……!
お気遣い、ありがたく
頂戴しよう……!

よくぞ儂のために、
これだけの玩具を
そろえてくれた……さて───

撫でてやらんとなぁ!!

よどんだ空を埋め尽くしていた
指の一振り、翼のはためき、




バール:
ハハハハハ……
いい子いい子……!


ヴァルアス:
馬鹿な……!
あれだけの数を、易々と……!

そんな芸当、<光の王 >にも……!

おのれぇええ……!


バール:
悪いが、次の玩具を頂けるかな?



ヴァルアス:
ふざけるなっ!


バール:
なんなら、小僧───

───貴様でも構わんぞ!?


ヴァルアス:
ぉぉぉぉおおおおお───!


バール:
……ん?
部下を逃がすとは、
随分お優しいことだな?

いっそ白に染まればどうだ?
儂の暴れる手間も省ける。



闇の王:
…………
世界の<我儘 >よ───


バール:
あぁ?なんだそれは?



闇の王:
<均衡 >を拒む貴様に、
これ以上の名はなかろう。



バール:
ま、好きに呼べ。
竜だ神だと言われるのも、
気に入ってはおらん。

ただ、貴様に
名づけてもらうというのも───
───気に入らんがなぁ!?



闇の王:
それは良かった。
貴様の気分が
良くなることなど───
一つとしてやるつもりはない!

<>が膨張する!
如何なる物をも通さぬ黒が、



バール:
笑わせる! 下等な本能めがっ!


1.1.6.2. Story 6-2未来への捕縛



バール:
大言吐いた割にはだなぁ!?


闇の王:
貴様ぁ……!


バール:
<均衡 >の片割れ、<>よ───

消えてなくなれ───!?
なんだぁ!? これはぁ!?



アイリスの声:
KARIDA、 LUX。BLAN、 LUCEM-BOOM ……

この、一度きり……


バール:
うぬぬぬぬぬ……!


闇の王:
惜しかったな、バールよ!



バール:
小癪な、雑魚ども……!

うぉおおおおおおお───!
……くくくくくく……!
嘆かわしい限りだなぁ……?

<>よ!下賤な本能よ!
'''一握りの誇りすら捨てたか!

都合のいいときだけ、
<>と手を結び……

無意味な<均衡 >に縋るか!


闇の王:
喚いていろ。
貴様はこれで終わりだ。

我が焦熱の監獄……
<タルタロス >の底で、
永劫、 苦しむがいい。


バール:
永劫、 だと? なぜ消さぬ?


闇の王:
…………



バール:
……ああ、 いい、 いい。
答えなぞわかりきっている。

では──また、 な。



闇の王:
惜しかったな…… <我儘 >よ……

この僅かな<傾き >こそ───
───我の道───



1.1.7. 白の王宮

1.1.7.1. story 7-1感謝の意




アデル:
───この度は、
盟約を果たしてくださり、
感謝の言葉もありません。



アイリス:
私が貸したのは、剣の一振り。

……黒の民には、 多くの被害が……



アデル:
黒の王国にいるのは、

大きく分けて、 二つの民。
すなわち、 人か、 魔か。

魔の者はより濃く、
<>に依存します。
アイリス様が心を痛めることでは。



アイリス:
それでも、 全ての者が
<闇の王 >に従っているわけでは
ないと、 あなたは言いました。

清きソウルと生まれ変わることを
祈ります。



側近:
何も、 そこまで……。



アデル:
もったいなきお言葉……
黒の民にありながら、
これほどの誉れはありません。



アイリス:
あなたも言ったではありませんか。

同じく<均衡 >を
願うのであれば……
白も黒も同じ。



側近:
……アイリス様……



アデル:
お暇を告げなければなりません。



アイリス:
このような盟約であれば、
以降も願います。



アデル:
いいえ、これきりでございます。



アイリス:
……?



アデル:
<均衡 >は、 この世の<>……
確かに、 全ての生命が
守るべきものでございます。

しかし余力で良い。
余裕なき者からは、 頭上を飛び交う
関わりのないルールです。



側近:
アデル殿?



アデル:
白の民は結構でしょう。
潤沢なソウルに
<始祖のルーン >の恩恵、
豊かな暮らしが約束されています。

しかし地を這う我らは違う。
頭上には天空大陸。
なぜ永遠に影の中なのか。



アイリス:
それが天と地、
白と黒の<均衡 >を保つ、
世のはじめよりの<>なのです。



アデル:
ハハッ。



アイリス:
───!


アデル:
ですから同じではないのですよ。
<>などというものは所詮───

─── 強者に都合の良い呪縛!


瞬間!



アイリス:
…… くっ……!



アデル:
同情ありがとう───
───だが、 いらん!

地に堕ちてから物を言え!


アイリス:
──!!


アイリス:
……!?

…………


<黒の少年>:
……っ……



アイリス:
……?



<黒の少年>:
…………

……黑はっ……


ファイオス:
'''王を守れ!



アイリス:
'''!!



ファイオス:
蛮族めっ……!

貴様らは人ではないっ!



アイリス:
待って───



側近:
ファイオス! その者を捕らえよ!


アイリス:
───!


ファイオス:
黒のやり口はよくわかった…… !
わずかでも心を許した、
……俺が馬鹿だった!!!

そっちがそのつもりならば!
地上ごと消し去ってくれる!


<黒の少年>:
……っ……!



アイリス:
……待って……

……その人は……


1.1.7.2. Story- 7-2いつかあの子が




ファイオス:
クソッ…… !
白と黒とが交わるなど……

俺が馬鹿だった!
クソッ、 クソォッ……!



シーマ:
……お兄様……

…… 良かったではありませんか。
未然に、 防いだのでしょう?

ファイオス:
良いものかっ!



テオ:
ひぃっ! ?



シーマ:
お兄様。



ファイオス:
…… すまない。
だが…… シーマ、 テオ。
俺はわからなくなったのだ。



シーマ:
わからなくなった?



ファイオス:
<均衡 >とは対立なのか?
ならば騎士団は、
永遠に戦い続ける定めなのか?

…… ならば、 王も……



シーマ:
…………



テオ:
…………

……永遠なんて、
経験したことないもののこと。
心配してもしょうがないよ。



シーマ:
テオ! ?



テオ:
永遠なんて、
そんなの誰が生きたのさ。



シーマ:
純粋な白の民は、
<忘れてしまえば >
寿命なんてないのよ?



テオ:
だからって、 先の話さ。
本当にそうかなんて、
誰にもわからないじゃないか。

僕、 今日隣の子とケンカしたけど。
そんなの、 永遠になんか
続かないやい。

それと同じことが、
大人には出来ないの?



ファイオス:
…………



ソーマ
…………



ファイオス:
いまにわかる……



テオ:
そんなの聞きたくないね!



ファイオス:
俺だって言いたくないさ。



テオ:
じゃあ言わなければいいじゃない。
大人の方が、 我慢は得意でしょ?

'''いつまでもケンカのことを
ひきずってると、
兄ちゃん怒るじゃないか!


ファイオス:
…………


シーマ:
……お兄様……



ファイオス:
……テオならば……

そんな時代にすることも
出来るのかもしれない……
そう思った。



シーマ:
ええ…… 優しい子ですもの……



ファイオス:
…… だが、 俺は……



シーマ:
テオの言葉、 覚えておきましょう。
すぐにはできなくとも。

我々には使命があります。
迷ってもいけません。



ファイオス:
…… そうだな……



シーマ:
あまり遅くまで
過ごされませんよう。
それでは……



ファイオス:
…… 使命、 か……
…… そうだな……

……俺の苦悩など……
アイリス様には、
及びもつかないだろう。

俺はただ…… 守ればいい……

命を賭して…… アイリス様を……



1.1.7.3. Story 7-3気高き白猫




側近:
面目ありません……
あの者の真意、
見抜くべきでした……



アイリス
…………



側近:
ファイオスが駆けつけねば、
どうなっていたことか……



アイリス
…………



側近:
狡猾な相手です。
バールを倒した直後の、
一瞬の間隙を狙うとは───

聞いていらっしゃいますか?



アイリス:
え! ?



側近:
おいたわしゃ……
そこまで疲弊されながら、
あのような者の相手を……



アイリス:
い、 いいえ……



側近:
表には警護の騎士がいます。
ゆっくりとお休みなさぃますよう。



アイリス
…………

───<始祖のルーン >は、


アイリス:
黒は地に、 白は天に……

<均衡 >を等しく守る者同士が、
なぜ争い合うのでしょう……

……<始祖のルーン >よ……

天と地で、 憎しみ合うことが、
それが<>なのだとしたら……

……ずっとは、 無理かもしれません。

私には…… 全ての憎悪の
上に、 立つことなんか……

…… とても……


アイリス:
……!


白の巫女…… 光の王よ……
決断せねばなりません。
私たちが、 守るべきものは───



アイリス:
守るべき…… もの……?




アイリス:
!!




1.1.8. 黒の市街地

1.1.8.1. Story 8-1泥にまみれた黒猫



<黒の少年>:
……っ……

捕縛され、 投獄されたときに




<黒の少年>:
…………

どうして、 あの時……

#White光の王───守ったのか。


白との親交を深める。
だが…… 自分が知らぬうちに。
遂行させることが、


<黒の少年>:
…… わからない……

あのとき、 自分は……

何を、 選んだ…… ?

泥で汚れた、


っ! ?
<黒の少年>:
……白い…… 猫……?



白猫:
…………



<黒の少年>:
どこから…… ?

! 鍵が…… ! ?

牢獄が、 夢の中の出来事ように



<黒の少年>:
呼んでるのか……? だけど……

一瞬の逡巡ののちに、


<黒の少年>:
……行ってみよう。


1.1.8.2. Story 8-2 <約束>




白猫:
…………



<黒の少年>:
見張りの一人もいない……
…… まさか…… ?



白猫:
…………



<黒の少年>:
逃がしてくれようと
しているのか…… ?


共に来たアデルの行いは、
このままでは自分は、


<黒の少年>:
…… ここで終わるわけには
いかない……

牢番たちには悪いけど……

…………


白猫:
…………

不思議な白猫は、



白猫:
…………



<黒の少年>:
!?


<黒の少年>:
白の……!?



アイリス:
……ここは……?



<黒の少年>:
!!

白猫から変じた少女は、
思わず手を差し伸べ、


<黒の少年>:
……っ……!



アイリス:
…………

こうして、手を取り合えば──



<黒の少年>:
……?



アイリス:
支え合える、 のに……



<黒の少年>:
…………

謁見で見たときの、


<黒の少年>:
…………



アイリス:
光だけでは、 ない……

世界には闇もあり……

安らぎを与えるのは、
どちらも同じ……

…… なのに……

控え目に支えた肩は、
自然と、 ポツりと言葉が漏れる。



<黒の少年>:
───守る───


アイリス:
え……?

聞き取られなかったことに、



<黒の少年>:
自分の願いも、 同じ……

黒も白も……
みんなが、 幸せになるなら───
───泥の中からでも。
あなたを…… 支えるから……

その道を…… 進ませて欲しい…… !



アイリス:
…………

少女の肩に手を置いたまま、



<黒の少年>:
───自分は<闇の王 >の後継者。
…… 黒の王子です。



アイリス:
ええ……感じていました……



<黒の王子>:
必ずや、 王の座を継ぎます。

二人で、 この世界に、
平和をもたらしましょう。

<約束 >します。



アイリス:
…… ありがとう……



<黒の王子>:
…… いいえ……



アイリス:
白は光、 黒は闇……

天と地……
己のいるべき場所で、
互いに支え合いましょう。

───<約束 >です───



<黒の王子>:
……ええ。 それまでは───



アイリス:
決して───

強い意志の込められた瞳
それはほんの少しだけ、
避けていた──



兵士:
……向こう……影が……

しかし、 それ以上に



<黒の王子>:
……行かなければ。
感謝します。 自分のために。



アイリス:
私のことなら、 大丈夫ですから。



<黒の王子>:
…… 待っていてください。
その時まで。



アイリス:
……はい。



<黒の王子>:
…………

( 君は……
…… 一人ではないから…… )



アイリス:
白と黒は、 交わらず……
両端で釣り合い、
<均衡 >をもたらす……

……きっと、守ります。
あなたとの───<約束 >を───




1.1.9. 黒の大地

1.1.9.1. Story 9-1剣士の心



───黒の王子が白の王国から戻り
<闇の王 >は、
際限のない<膨張 >は、
まるで<循環 >を、 拒むかのように───



<effect 広がる闇>
ヴァルアス:
───それまで。



<黒の王子>:
……っふ〜……!



ヴァルアス:
特使の任から戻られてから……

決意が新たになりましたかな。



<黒の王子>:
ヴァルアス。



ヴァルアス:
なんでしょう。


<黒の王子>:
……正しいのだろうか。



ヴァルアス:
…… なにがです?


<黒の王子>:
最も濃い、 黒の者が、
王となり、 国を導く……



ヴァルアス:
…………

この国において、 <>とは、
闇なる力の根源でありますれば。

その意思に従うは、
古来よりのならいでございます。

<黒の王子>:
それが<>、 か……



ヴァルアス:
……滅多なことを
お考えになられてはなりません。

<>が包み込むのは、
存在そのもの。 善も悪も全て。

<>とは、 決して晴れては
ならぬもの。 場のある限り、
広がり続けてゆくもの。

それがこの世が生まれてよりの、
真理でございます。


<黒の王子>:
それに問うた者はいないのだろうか。



ヴァルアス:
と言いますと…… ?


<黒の王子>:
黒と白……
光と闇の在り方は……

いまのままが正しいと、
誰が言い切ることが
出来るのだろう。



ヴァルアス:
陛下もまた、 それをお考えに
なられているのかもしれません。


<黒の王子>:
……そうだろうか……
滅ぼし、 征服することは、
それよりも悪い形ではないのか。



ヴァルアス:
…………



<黒の王子>:
全てが黒く染まれば、
世界中に安寧がもたらされる……

そんなもの……
まやかしじゃないのか…… ?



ヴァルアス:
…………

そこから先を考え、 導き、
結果を示すのが王の役目

予測で未来を批判することは、
私の職分ではありません。



<黒の王子>:
わかっている。



ヴァルアス:
ならば今はまだ、
己を鍛えることに注力すべきかと。

あなた様の世が来ましたら……
自分の信ずる道のために、
私をお使いくださいませ。



<黒の王子>:
ありがとう、 ヴァルアス。



ヴァルアス:
さあ、 感謝するには早いですぞ。
剣の腕でも、 私を越えて
頂きませんと。



<黒の王子>:
ああ……


──それよりほどなくして──
──暗黒騎士ヴァルアスは、



1.1.9.2. Quest 9-1大地の修行
1.1.9.3. Story 9-2日常の終わり



一瞬の共闘により、
予想通り、 白の王国は
回数を増すごとに、
───討たれるのは、
───次が最後の決戦に
<光の王 >アイリスは、
白の民は、
なぜなら<始祖のルーン >の
───自分たちには<光の王 >が
だが…… <均衡 >は、
わずかずつ……黒の側へ……
…………
……



ファイオス:
大事な物はまとめたか?



テオ:
うん!
鉢植えは…… 断念したけど……
種を持ってくよ!



シーマ:
そう。 今度はどこで育つかしらね。



テオ:
何言ってんのさ!
もう一度白の王国で
咲かせてみせるよ!



シーマ:
あら、 ごめんなさい。
それが一番よね。



ファイオス:
……テオ。 次の戦は、
白の王国全体が
戦場になる可能性がある。

そうなったら……



テオ:
逃げる!



シーマ:
どこへ?



テオ:
海へ?



シーマ:
どうやって?



テオ:
距離は相当あるけど、
魔法があれば……



ファイオス:
それは最後の最後だ。
安全な場所に、 隠れているんだ。



テオ:
安全な場所なんか、
どこにあるってのさ!

───とか言って、
兄ちゃんと姉ちゃんを
困らせるようなことはしないよ!



シーマ:
いい子よ……



テオ:
うん! 兄ちゃんたちも、
負けそうになったら、 逃げなよ!



ファイオス:
兄ちゃんは負けないさ。



テオ:
負けないとさ、 逆にいつまでも
一人で戦っちゃうでしょ?
だから、 そうなったら!



ファイオス:
…… うーん。 賢くなったなぁ……



テオ:
へへっ、 こんなときに、 よせやいっ。



ファイオス:
わざとらしく
鼻を人差し指でこするな。
褒めたと思ったらこれだ。



テオ:
ちぇっ、 なんだよなんだよ!
褒めたり叱ったり忙しいなぁ!



ファイオス:
だからさあ。



テオ:
へへへ…… ! 大丈夫だよ!
白の王国は、 絶対負けないもん!

なんたって、 <光の王 >
アイリス様がいるもんね!



ファイオス:
ああ…… そうだ。

アイリス様を信じる限り、
白は…… 負けないさ…… !



テオ:
うん!



シーマ:
ええ…… きっと…… !



ファイオス:
( 信じているぞ───アイリス)

( 誓おう。 この命、
最後の一欠けらが
燃え尽きる、 その瞬間まで───)

( 俺は一歩も引かず!
お前のことを、
守り続けてみせる! )

信ずるのは

決戦を前にして、




1.1.9.4. Quest 9-2戦乱の予兆
1.1.9.5. Quest 9-3高まる緊張
1.1.9.6. Story 9-3宝冠と賢者




???
───あまねし精霊と
妖精の力を束ね───

───宝冠へと紡がれし物よ。
ここに<在れ >───


アランティア:
祝福をありがとうございます。
<智の賢者 >殿。



智の賢者:
礼なんて。 僕はそれを<識る >
プロセスを認めただけに過ぎない。
作ったのはあなたたちだよ。



アランティア:
はい。

……この宝冠さえあれば、
<闇の王 >にも……



智の賢者:
フム。 忘れてた。



アランティア:
え?



智の賢者:
名をつけなければ。



アランティア:
名を与えれば、 どうなります?



智の賢者:
一般的に考えれば、
人格が宿るだろうね。

なんでもいいかな? いいよね?
じゃあ僕がパパっと───



アランティア:
お、 お待ちください!
それを織りなす精霊たちも、
もとは人格を得ておりました。

名は、 その中から
代表を選び、
つける…… ということでは?



智の賢者:
ワム。
その方が理に叶ってるかもね。



アランティア:
( ……ほっ……)



智の賢者:
そうそう、 あとね。
宝冠がその真価を発揮するために、
条件を課しといたよ。



アランティア:
その条件とは?



智の賢者:
王が授けることさ。



アランティア:
王が…… ?



智の賢者:
そんな制約でもなければ、
奪われちゃってもコトだろう?


アランティア:
…… お気遣い、 感謝します……

( 智の賢者の深慮遠謀……
……と、いうことだろう…… )



智の賢者:
まあ他にもあるんだけど。



アランティア:
え?



智の賢者:
いやなんでもない。
では、 僕はこれで。



アランティア:
どちらへ?



智の賢者:
片方に加担しすぎるのも、
僕にはあまりよろしくなくてね。

<認識 >には善も悪もない。
今度はあちら側へ。



アランティア:
おやめください!
<闇の王 >は、 あなたを
血眼になって探しております!



智の賢者:
おやおや。
そんな大層なモノじゃ
ないんだけどなあ。



アランティア:
捕えられれば、
ただでは済みませんぞ!



智の賢者:
それはわかるのだけどね。
まあ、 なんというかな。

倫理観も価値観も、
僕と君たちとは違うんじゃ
ないかなぁ。

まあ、 ソウルの結晶である、
妖精族や精霊族とは
比較的近いのかもしれないけど……

それでもやっぱり、
根本的に違うんだと思うよ。



アランティア:
ワケのわからぬことを
おっしゃらずに!
このまま、 白の王国に留まり、
我らをお導きください。



智の賢者:
じゃあなおのこと、
ここにはいられないね。



アランティア:
なぜです! ?



智の賢者:
導くとかは、 ね。
僕の存在意義としては、
多分真っ向から反するから。



アランティア:
い、 如何なる理由で! ?



智の賢者:
話せば長くなる。
でも一言で終わらせよう。

僕はただの、 <認識 >だから。



アランティア:
……!?!?



智の賢者:
フム。 わかってくれとは
言わないさ。 では、 失礼。


アランティア:
ち、 智の賢者様……!

…………
……


智の賢者:
…… なんて。
偉そうに言ってたのに、
やっぱり投獄されちゃったねぇ。

まあ、 そこからは、
こうしてさっさと
抜け出したわけだけども。
でもまあ、 これで、
トントン、 かなあ。

白にも黒にも
言い分はあるんだよね。
僕が一方に加担するのは……

してもいいんだけど、
まだ今じゃないものなあ。

さて……

…………

退屈になってしまったなぁ。

うーん。
では、 こういうのはどうだろう。
元の世界の事象を
一つ一つたぐって紐にして……

そうだな…… その紐で……

靴を履こう!
やあ、 これは名案だ!




1.1.10. 黒の市街地

Quest10-1開戦の気配
1.1.10.1. Story 10-1黒の王子



アイリス:
───この一戦で───
───決する───!

……<始祖のルーン >よ!
白の王国に生きる者、
全てに、 力を───

<>を払う光を与えたまえ!

ファイオス:
───行くぞ! これが最後だっ!


シーマ:
はい、お兄さま!

空が重たくなったかと

白の王国と<均衡 >の
…………
……
一方───その頃、 黒の王国───


商人:
さあさあ見てって!
白との決戦はさておき!

そのあとの時代を
生きぬくにゃあ、
食うもの食わなきゃ始まらない!

小麦が無理でも芋ならどうだい?
ヨソではまず手に入らないよ!
さあさあ見てって見てって!



<黒の王子>:
…………



商人:
どうだいそこのお兄さ…… ! ?
……って、 あんた! ?

黒の王子様じゃないのかい! ?
どうしてこんなとこに! ?



<黒の王子>:
自分でも不思議…… いや、
不審なんだ。



商人:
グローザ様といい、
王子様まで戦力から
外すってのは……

…… 王子様!
まさか、 叛逆でも! ?



<黒の王子>:
はは、 そんなことは……

…… いや、 どうだろうな……



商人:
おだやかじゃないですな!
もし王子様の世になったら、
税をもう少し軽くお願いしますよ!



<黒の王子>:
ははは、 覚えておくよ。



商人:
しかし、 供の者もつけずに、
市場を散策ですかい?
こりゃまたどういったワケで?



<黒の王子>:
特には…… ただ、
民の暮らしを、 この目で見たくて



商人:
どうぞどうぞ!
ムサくるしいトコですが、
こんなもんならいくらでも!



<黒の王子>:
やはり、 生活は厳しいのか?



商人:
まあ、 兵隊さんたちは
もっと大変でしょうからね。



<黒の王子>:
いや、 本当に辛いのは、
それを支える人たちだよ。



商人:
もったいないお言葉で。
ですが存外、 あたしらは
普段と変わりもしないですよ。

勝てば、 楽になるんでしょう?
だったらそれまでの
辛抱ってだけでさぁね!



<黒の王子>:
そうだな…… 楽になればね……



商人
なるでしょう?
天にも領土が増えるってことだ。



<黒の王子>:
そんな簡単なことでは
ないと思うけど……



商人:
それもそうか。
白の王国の名産物なんか、
聞いたこともないものなぁ。

連中、 何食ってんですかね?
味がしねぇ草とか?



<黒の王子>:
普通だよ。
…… まあ、 ちょっと
薄味だった気はするけど。



商人:
そりゃあいけねぇ!
塩ですよ、 塩!
塩のあるなしが戦争の要!

こりゃもう勝ったも同然ですなぁ!



<黒の王子>:
ははは……



少女:
あ一つ! あのひと、 知ってる一!
少年:
知ってる──! おうじさまだ──!



少女:
おうじさま! こんにちは──!



<黒の王子>:
こんにちは。


商人:
こらこら、 まとわりつくなって。
王子様、 お忙しいんだぞ?


<黒の王子>:
そんなことはないよ。
おいで。



少女:
わーい!



少年:
ねえねえ! 戦争、 勝つー!?



商人:
こら、 そんな言葉づかいは!



<黒の王子>:
別にいいって。 というか、
人のこと言えたっけ?



商人:
これは失敬……



少年:
ぜったい勝ってねー!



少女:
お母さん言ってたよ!
そらのしま、 おせんたくに
じゃまだって!

勝ったらお母さん、
よろこぶよね!
きっと勝ってねー!



<黒の王子>:
……ああ、 きっと勝つよ……



魔物兵:
王子。 よろしいでしょうか。



商人:
なんだいあんたたちは?
人の店の前で、
何も買いもしないで?



魔物兵:
りんごを三つだ。 これでいいな?



商人:
へい、 まいど! お代は……



魔物兵:
王宮にツケておけ。



商人:
な、 それはないって!



少女:
この兵士さんたち…… 怖い……



少年:
やるか─!?



魔物兵:
やらん。 用があるのは王子だ。

ご足労、 願えますな?



<黒の王子>:
用件は?



魔物兵:
ただ、 お呼びせよとだけ。



<黒の王子>:
…………



商人:
…… なんで、 こんな、
殺気立ってるんです…… ?



<黒の王子>:
……さあな……

ごめんよ、
もっと遊びたかったんだけど、
もう行かなくっちゃ。



少女:
えー! ?



商人:
…… 大丈夫なんですかい?



少年:
どうしておうじさまを!?
やるかー、 こらー!



魔物兵:
やらん。
が、
あと一度言ったら、 やるぞ。



少年:
!!



<黒の王子>:
……行くしかないさ。



商人:
…… ご無事で……



<黒の王子>:
ありがとう。

行こう。



魔物兵:
恐れ入ります。

丁寧な言葉とは裏腹に、


魔物兵:
王子をお連れしろ!



<黒の王子>:
…………



1.1.10.2. Quest 10-2連行
1.1.10.3. Story 10-2後継者




<黒の王子>:
! ? お前はっ……! ?


アデル:
ひでぇじゃねえか。
何もぶった斬るこたねえだろ。
仲間だと思ってたんだがなぁ?



<黒の王子>:
……呆気なさすぎる
とは思っていた…… !



アデル:
たりめぇだろ。
俺だって後継者の一人だ。
それも───
おめぇよりも遥かに、
<>に寄った、 な…… !



<黒の王子>:
……どういうつもりだった……



アデル:
あ?



<黒の王子>:
なぜ、 < #DAA520光の王 >を狙った! ?



アデル:
それが王の望み
ひいては黒の王国の意思だろ?
何言ってやがんだ?

むしろてめえが
なんで止めたんだよ?

───と、 言いてえとこだが、
実はあれで良かったんだよ。



<黒の王子>:
なに……?



アデル:
<光の王 >ったって。
実態はタダの小娘さ。

ああやって揺さぶってきゃあ
すぐに迷いが生まれる。

そしたら屁でもねぇ。
同じくらいの力を持つ者同士が
やりあえば、 折れねえ方が
勝つのが道理さ。



<黒の王子>:
…… それも、 王の策略か…… !



アデル:
馬鹿にしすぎなんだよ、
どいつもこいつも、 陛下を。

より大きく生きようってする
本能があるからこそ、
智恵が生まれたんだろうが。

馬鹿なのは、
馬鹿にしてるおめーらさ。



<黒の王子>:
…… よくわかった…… !

だからこの場で粛清しようと!



アデル:
この状況で
まだわかんねえアホがいるか。
イキがんなや。

ま、でも…… アレだな。
暗黒騎士のアホなんかも、
このことは知らねえがな。



<黒の王子>:
なんだと…… ! ?



アデル:
俺は王の思考がよくわかる。
<>にどっぷりだからな。

もしかすると、 俺を生んだのが
そもそも王かもしれねぇ。
まぁんなこたどうでもいい。

おめぇやグローザを遠ざけたのも、
白に転ぶ危険性があったからよ。



<黒の王子>:
白に……?



アデル:
比喩表現だ、 本気にすんなパーカ。
ちょっと使い辛ぇって
だけの話だろーが。

つっても、 誤解すんなよ。
<闇の王 >が本気になりゃあ、
てめぇなんぞただの小石だ。

───聡明なあの方は、
それにも油断しねぇって
だけのことなんだよ!



<黒の王子>:

!!


アデル:
もういいだろ! ? やんぞぉ!

<黒の王子>:
……思い通りにさせるか…… !
<黒の王子>:
お前らのやり方は、
間違っているっ──!


1.1.10.4. Quest 10-3同じ黒でも
1.1.10.5. Story 10-3導き




<黒の王子>:
うぉおおおおおおおっ──!



アデル:
つ!!

裂帛の気合とともに

<黒の王子>:
…… 悪く思うな……
……もう、 こうするしか……

アデル:
……く……くくくく……!



<黒の王子>:
……?



アデル:
こんなわかりやすく、
逆転出来るわけぇえだろ……



<黒の王子>:
なに…… ?



アデル:
なんで俺が一人なんだよ、
明らか時間稼ぎじゃねーか。



<黒の王子>:
!!



アデル:
戦力の大部分は空にある。
当然、 <闇の王 >も。

光が揺らいだ白の王国なんざ
いつまでもつ? いや、
いつまでたってもたねーね。

王が始祖のルーンを
取り込めば、
全ての空間が黒く染まる……

<均衡 >が崩れる…… となりゃあ、
この世はオシマイさ。
誰一人、 生き残りやしねーよ。
白も、 黒も、 ぜーんぶ、 な……



<黒の王子>:
なんだと…… ! ?
<闇の王 >は、 天を征服し
全てを安息の闇に包もうと
していたんじゃないのか! ?



アデル:
その説得力について、
考えたことねー奴を
本当のウスラ馬鹿野郎と呼ぶ。

じゃ……
一足先に、 行ってるぜ……
アンソクの闇の中にな……

皮肉めいた笑顔を残し、


<黒の王子>:
……くっ……!

光遠ざけたのは、
こういうことか……

天は高く、 白の王国は、 遠い。


<黒の王子>:
白だけじゃなく、
黒も…… ! 全てを
滅ぼそうだなんて…… !

じゃあ、 信じていた民たちは
'''一体なんだったんだよ! ?

王だからって!
たった一人に、
そんな権利が有るわけないだろ!

…… 対策は打たれていた。
ヴァルアスをはじめとする、
───いつか並び立とうと誓った、


<黒の王子>:
……<闇の王 >め……!

光誰も手の届かない空の上で……

全ての命のこれからを!
'''勝手に決める気なのかよ!!!

いくら叫ぼうとも、


<黒の王子>:
……くそっ…… !

こんな地の底からは、
届かない、 間に合わないっ…… !

がっくりと、膝を突いた───
───その時───

<黒の王子>:
!!

力が───!?

一体、どこから……?

それはまるで……
そこから流れ込んでくるような、
──それと──



???:
…………



<黒の王子>:
……!?

誰……?



???:
…………



<黒の王子>:
……?

いや……今は、 それより……!
#White───力が発現する───


<黒の王子>:
この力が……あれば……!

誰よりも、 何よりも速く、
その力は───


<黒の王子>:
間に合ってくれ……!

───アイリス───!

黒の王子としてのものか……

#DAA520それとも、 また別の何かの───||




1.1.11. はるか天空

1.1.11.1. Story11-1 世界の両端




騎士:
───王宮へ! 早く!
じき、 ここも戦場になります!
騎士:
闇の軍勢め…… !
神聖なる白の大陸で、
'''好き放題しおって…… !

───! ?

お……おぉぉォオオオオオッ!!
ガァアアアアアッ!!


女性:
!!


別の騎士:
うぉおっ!!

大丈夫ですか!?


女性:
い、 いまのは……?



別の騎士:
<>め…… !

白の騎士をも、
染めるほどに…… 濃く…… !

シーマ:
───魔道士隊! 連鎖詠唱!


はっ!


シーマ:
顕現せよ…… !
七つの力がうちの一つ、
<破壊 >の鎌───

───刈り取れ!

シーマの率いる魔道士隊が、


シーマ:
続けて援護!
騎士たちの周囲に結界を!



はっ!

魔道士たちは詠唱の声を合わせ、



シーマ:
七つの力がうちの一つ、
<慈愛 >の檻───!


<wipe black>
ファイオス:
───はぁああああっ!!
きりがないッ……!
……よし!
皆!一歩も引くな!

俺たちが、
アイリス様の最後の盾だっ!



ヴァルアス:
…… 威勢のいい奴がいるな。



ファイオス:
……貴様は?



ヴァルアス:
暗黒騎士ヴァルアス。

相手にとって不足なしと見た。
手合せ願えるかな?



ファイオス:
ほう。 俺のカオも知らず、
よく言うものだ。

俺は、 光の騎士団長ファイオス。
王の盾であり、 そして剣。

ここから先へは行かせんッ!



ヴァルアス:
ふ───来いっ!

貴様の名を、
武でもってこの私に
焼きつかせてみせろっ!

───立ち昇れ!
<ほの暗く燃ゆるもの>よっ!

暗黒騎士の手にした刃が、

<fade out>
<fade in>
───天を舞う、白の大陸───
───そのさらに上空で、



闇の王:
眼下はずいぶん賑やかに
なってきたなぁ?

───よいのか?
貴様一人、 悠々と
空を飛んでいて?

───<光の王 >よ?



アイリス:
重要なのは
あなたの位置する座標。
それと、 私がいるところ。

そこが── 運命を決める場所…… !



闇の王:
結構なこと。
我ら以外の争いなど、
所詮は真似事に過ぎぬ。

<均衡 >の両端にいるのは、
それぞれ一人きり───

───我と、貴様だ───



アイリス:
ええ。 決着をつけましょう。



闇の王:
何度目だったか忘れたが……
我に勝てるつもりか?



アイリス:
いままであなたは勝っていた?
いつも退いていたようだけど



闇の王:
そう怯えるな。
アイリス:




闇の王:
伸びてゆくほど痩せ細り、
やがては消える<>とは違う。

我は、 <>───
意味するのは無限の膨張……

時と共に力を増すのはどちらか、
自明の理……



アイリス:
そうかしら?



闇の王:
だからこそ、 代替わりなどという
制約があった。
それを知らぬとは言わせぬ。

我は、 <循環 >を拒みし、
<唯一無二の闇の王 >───

───永遠に力を増し!
全ての場所、 全ての空間を!

<>より<黒く >!
塗り潰してくれるわ!


アイリス:
永遠、 だなんて……
私は認めない!

<>に抗いし者よ!
この世界から…… 消え去れ!

1.1.11.2. Quest11-1 総力戦
1.1.11.3. Ouest11-2 全面戦争
1.1.11.4. Story11-2 七つの力


騎士A:
───うっ!?


騎士B:
あぁアアアア!?

<effect sound 魔物の声>
魔道兵:
<>の侵食、
抑えきれませんっ! ?



シーマ:
<慈愛 >の檻がっ…… !
…… それならっ…… !
<fade out white fade in>

覆せ…… !
七つの力がうちの一つ…… !

+3<{{{#DAA520 流動 }}}>───!

眩いルーンの光が、



魔道兵:
やった! さすがシーマ様!



シーマ:
!?


魔道兵:
そんなっ!?



シーマ:
なぜ……! どうして……!
払えない……!

<始祖のルーン >よ!
いま、 この瞬間!

'''<ここ >に力を注がなくて
どうするのよっ───! ! !


<effect: Wipe>
ファイオス:
うぉおおおおっ!!!

ヴァルアス:
くっ……!

…… 貴様の太刀筋は、
馬鹿正直だな。



ファイオス:
そう思うのなら
いなせばよかろう?



ヴァルアス:
何がそれを支える?



ファイオス:
無論、 王への忠義。



ヴァルアス:
ならば同じで──

──貴様の負けだ。


ファイオス:
なんだと……?



ヴァルアス:
個人への心酔など、
陽炎のようなもの。

揺れれば容易く掻き消える。



ファイオス:
見解の相違だ。
位への盲信は───

───主の破滅を招く!

一人の人間として
信ずるからこそ!
想いが力を引き出す!

<event effect ヴァルアスの闇の力>


ヴァルアス:
…… 贅沢を抜かすな。



ファイオス:
なんだと?



ヴァルアス:
───光の民よ!
だから貴様らは、
惰弱だと言うのだっ!

肥沃な地、 手を取り合う民、
聡明なる王───

───恵まれた剣で!
全てが都合よく守れるかっ!!



ファイオス:
くっ……!?



ヴァルアス:
騎士ファイオスよ。
その名、 いつまでも
覚えておこう。

愚かな弱者としてな!



ファイオス:
──不幸を誇るかッ!!!


<Fade out white><Fade in, BG black>
アイリス:
……っ!

<event 闇の王、Wipe black 広がる闇>
アイリス:
言の葉よ、 白き力の鍵となり、
ルーンの輝きを解き放て───

<※x〇■!&$…………>
KARIDA,LUX,BLAN,LUCEM……


太陽を覆い隠していた



闇の王:
まだ耐えるかっ…… !



アイリス:

強がりを…… !
あなたはここで、
このまま消し去るっ!




闇の王:
…… いいのか?
<始祖のルーン >の力を、
独占していて?



アイリス:
……っ……!



闇の王:
我の切れ端を侮るな。
貴様の愛する民から先に、
<>に染めてくれる……!




アイリス:
…… その手には乗らない…… !
<均衡 >が乱れたままでは、
いずれにせよ同じこと…… !

全てを投げ打ってでも、
あなただけは、
ここから逃さない!


太陽を覆い隠していた



闇の王:
我も同感だ。
民も<全て >のうち。



アイリス:
……あなたとは違うっ!



闇の王:
同じだ。


アイリス:
違うっ!


闇の王:
恨まれる。




アイリス:
そうだとしても…… 構わない!


再び釣り合うこと…… !
それが、 未来を残す、
たった一つの方法!



闇の王:
甘いな……!

<中間 >を狙う貴様と
<転覆 >で勝利する我では───

───帰趨は見えている!



アイリス:
いいえ……! それでもっ……!





1.1.12. 始祖のルーンの問

1.1.12.1. Quest 12-1光の劣勢
1.1.12.2. Story 12-1大いなる始祖のルーン





闇の王:
───ハハハハハ……!



アイリス:
ううっ……!



闇の王:
バールが言っていたな。
『大言を』 …… と。

不可能を語る者が敗北する!

痛感しろ!
これこそが<>だっ!





───あぁっ!?

極限まで密度を増した、
<光の王 >が堕ちる。


闇の王:
……くくく……ついに……!

───などと、 勝ち誇るかっ!

<光の王 >め、
小細工を弄すかっ!

<始祖のルーン >の
元へは行かせん!


凝結した巨大な闇の塊が、



シーマ:
七つの力がうちの一つ、
<慈愛 >の光よ───

───傷つき倒れし戦士を救えっ!


シーマ:
どうして…… どうしてっ! ?

あなたは無限だったんじゃなかったの! ?

何が<始祖のルーン >よ!
光り輝きなさいよぉっ! ?



魔道兵:
もはや…… !



シーマ:
……!

シーマ:
いいえ! まだよ!
弱音を吐くのは早いっ!

詠唱で動かないんなら、
ぶっ叩いてやるっ!



魔道兵:
!! シーマ様! あれを!



シーマ:
!!

落下してきたアイリスが、



アイリス:
ふふ…… シーマさん……




シーマ:
アイリス!?



アイリス:
聞こえました、
あなたの啖呵……

さすがですね……



シーマ:
! あ、 アイリス様!
そんなことより!
<始祖のルーン >は……!



アイリス:
忘れましたか?
まだ、手はあります。



シーマ:
……まだ……?

!!
七つの力がうちの一つ、
<運命 >の歯車!



アイリス:
それに全てを注ぎ込めば……



シーマ:
魔道士隊! 集まって!



魔道兵:
はっ!

シーマの声に応じて、

足をひきずり、 肩を貸し合い、




シーマ:
これで、全員です。



アイリス:
……はい……




シーマ:
しっかりしなさい!
まだ呆ける時じゃない!



アイリス:
ええ…… !

魔道士たちの輪の中心で、


アイリス:
───七つの力がうちの一つ、
<運命 >の歯車よ───



シーマ:
───七つの力がうちの一つ、
<運命 >の歯車よ───



アイリス:
我はその巡りに異を唱える……

───辿るべき真実の道を示せ───




シーマ:
……これは……?



アイリス:
…………



シーマ:
何も……変わらないっ……!

滅びは、 避けられないの! ?



アイリス
……<約束 >……


シーマ:
ねえ、アイリス!?



魔道兵:
う、うわぁああああっ!?



闇の王:
<運命 >か───無駄なことを───

その程度で変わるほど、
浅い歴史で企んではおらぬ!



シーマ:
そ、そんな……!



アイリス:
……こうなったら……



シーマ:
……!

……す~……ふ~……!

まだ、 あるのですね?
<光の王 >として、 抗う手段が?



アイリス:
ですが……



シーマ:
行きなさい!



アイリス:
それには……



シーマ:
迷っている場合ですか! ?
<光の王 >の使命は! ?

私は全てを託す!
この命も! あなたに!



アイリス:
!!



シーマ:
だから、早く!



アイリス:
シーマさん……ありがとう……!



闇の王:
醜いぞ…… いつまで足掻く……!

滅びの定めを受け入れよ!



シーマ:
うるさい!



闇の王:
…………

……面白い……!



シーマ:
───え?


シーマ:
あぁぁあああああああっ!?



魔道兵:
シーマ様っ!?



闇の王:
くくく…… 悪い癖が
出てしまったではないか……

『 戯れ』 、 だ……!



1.1.12.3. Quest 12-2 それぞれの願う者
1.1.12.4. Story 12-2 使命の懐疑

アイリス:
……はぁ……はぁ……!


<始祖のルーン >は、


アイリス:
…………

ひざまずき───祈る───


アイリス:
<始祖のルーン >よ……

私には、 守ることが
出来ませんでした……

白の王国を───

───黒と白の<均衡 >を───

…………


……嘘になっちゃったね……

あなたを───待って───

平和な世界を、作って───

どんなだっただろうね……

…………

頬を一滴、 伝ったものを───
───王は毅然と払う。



アイリス:
私の全てが通じなかった今、
<>を食い止めるには───

───もう、これしかないから───


<黒の王子>:
───うぉおおおおっ!!!

そこをどけぇええええっ!


一直線に貫き、 到達する力───
黒く尾を引き、 天を翔ける。


<黒の王子>:
( 速く……! もっと速く! )


光に近づいていく中───
脳裏に、 微かに響く───

……ぅ……
……がぅ……


<黒の王子>:
( ……そうだ……!)

間違っている!

何がなのかは、 わからない。
ただ、 激しく感じたのは、 歪み。
どこから間違っていたのか?
それとも───


<黒の王子>:
( 最初から……
正しいことなんて…… )


決まっていなかったとしたら……
<>とは…… なんのため───?


<黒の王子>:
いまは、まだ、わからない……
……でも!


わからないから!
問わなきゃいけないじゃないかっ!


<黒の王子>:
邪魔をしないでくれっ!!!

<黒の王子>:
……すまない……!


悪しきは何なのか──?


それがわからないのは──


信じるべきものの中に、
何かが混じっている…… から……?


<黒の王子>:
くそっ! もっと速くだっ!

いまここで! 横にいなきゃ
何のための約束なんだ!

アイリスを!守るんだっ!



1.1.12.5. Story 12-3 〜序章〜闇の猫と光の猫







1.1.12.6. Quest 12-3 神話の終わり
1.1.12.7. Story 12-4 はじまりの罪

───それは<闇の王 >の
<光の王 >アイリスは、


アイリス:
白の時代は、
これで───おしまい───

アイリス:
それでも、世界は
<均衡 >を保ち───

アイリス:
存在しなくてはいかないから───

アイリス:
───私は、 罪を冒します

だから、 お願い───

<始祖のルーン >よ───
秘められし全てを解き放ち───

アイリス:
<>を───


アイリス:
……<>を……!

───封じて───!



<黒の王子>:
───!!



アイリス:




アイリス:
そんな───


アイリス:
ごめん……なさい───


───さよなら、 約束の人───


アイリスゥゥゥゥゥッ───!!!!




闇の王:
おのれ…… ! まさか、
<始祖のルーン >ごと、
天空大陸ごと…… !

闇の王:
我に喰らわせるとは…… !

闇の王:
───だが───

闇の王:
あとほんの少し───

闇の王:
───足りなかったなぁ! ?


!!


闇の王:
な───!?


<黒の王子>:
…………



闇の王:
き……貴様ぁあああああっ……!



<黒の王子>:
共に滅ぼう。

それが───彼女の望み───!

消えろぉおおおおおお───!



闇の王:
う…… おぉおおおおお───!

おのれぇえええええええ……!




<黒の王子>:
(さようなら──)


<黒の王子>:
(アイリス)



───闇の王とその後継者は、
───だが───
───決して消えることなく───
───眠りにつき───
───歴史の周期点で───
…………
───なぜなら───

───止めなければならない!

悲劇の連鎖を───!


1.2. CHRONICLE



1. ゼロ・クロニクル ~はじまりの罪~
1.1. NORMAL
1.1.1. 白の王国辺縁部
1.1.1.1. Story 1-1ずっとずっと昔のこと1.1.1.2. Quest 1-1地からの侵略者1.1.1.3. Quest 1-2広がる闇1.1.1.4. Story 1-2光の守護者たち
1.1.2. 白王宮周辺
1.1.2.1. Story- 2-1ソウルのつぼみの1.1.2.2. Quest 2-1清浄なるソウル1.1.2.3. Quest 2-2光に守られし国1.1.2.4. Story 2-2光の王
1.1.3. 黒の町
1.1.3.1. Story 3-1大地の人々1.1.3.2. Quest 3-1泥に生きる国1.1.3.3. Quest 3-2魔の地の暮らし1.1.3.4. Story 3-2闇の王
1.1.4. 飛行島戦艦
1.1.4.1. Quest 4-1狭間の蒼1.1.4.2. Story 4-1天の大陸を目指して1.1.4.3. Quest 4-2板挟みの碧空1.1.4.4. Story 4-2白の巫女の祈り 1.1.4.5. Quest 4-3灰色の雲1.1.4.6. Story 4-3黒の使い
1.1.5. 白の町
1.1.5.1. Story 5-1珍しい者1.1.5.2. Quest 5-1正義なる国1.1.5.3. Quest 5-2疑念なき民1.1.5.4. Story 5-2光の謁見
1.1.6. 天地の狭間
1.1.6.1. Story 6-1<均衡>を破壊する者1.1.6.2. Story 6-2未来への捕縛
1.1.7. 白の王宮
1.1.7.1. story 7-1感謝の意1.1.7.2. Story- 7-2いつかあの子が1.1.7.3. Story 7-3気高き白猫
1.1.8. 黒の市街地
1.1.8.1. Story 8-1泥にまみれた黒猫1.1.8.2. Story 8-2 <約束>
1.1.9. 黒の大地
1.1.9.1. Story 9-1剣士の心1.1.9.2. Quest 9-1大地の修行1.1.9.3. Story 9-2日常の終わり1.1.9.4. Quest 9-2戦乱の予兆1.1.9.5. Quest 9-3高まる緊張1.1.9.6. Story 9-3宝冠と賢者
1.1.10. 黒の市街地
1.1.10.1. Story 10-1黒の王子1.1.10.2. Quest 10-2連行1.1.10.3. Story 10-2後継者1.1.10.4. Quest 10-3同じ黒でも1.1.10.5. Story 10-3導き
1.1.11. はるか天空
1.1.11.1. Story11-1 世界の両端1.1.11.2. Quest11-1 総力戦1.1.11.3. Ouest11-2 全面戦争1.1.11.4. Story11-2 七つの力
1.1.12. 始祖のルーンの問
1.1.12.1. Quest 12-1光の劣勢1.1.12.2. Story 12-1大いなる始祖のルーン1.1.12.3. Quest 12-2 それぞれの願う者1.1.12.4. Story 12-2 使命の懐疑1.1.12.5. Story 12-3 〜序章〜闇の猫と光の猫1.1.12.6. Quest 12-3 神話の終わり1.1.12.7. Story 12-4 はじまりの罪
1.2. CHRONICLE
1.2.1. 白の王国辺縁部
1.2.1.1. Story 1-1孤独の王1.2.1.2. Quest 1-1光と風と1.2.1.3. Quest 1-2増長する本能1.2.1.4. Story- 1-2闇の膨張
1.2.2. 白の王宮周辺
1.2.2.1. Story 2-1やがて栄えし、 森よ1.2.2.2. Quest 2-1木々の祖先1.2.2.3. Quest 2-2精霊の住まう天空1.2.2.4. Story 2-2精霊の宝冠
1.2.3. 黒の町
1.2.3.1. Story 3-1姫様はご機嫌ナナメ1.2.3.2. Quest 3-1魔性の地表1.2.3.3. Quest 3-2荒れ地の魔獣1.2.3.4. Story 3-2ほのかな思慕
1.2.4. 飛行島戦艦
1.2.4.1. Story 4-1兵卒のうた1.2.4.2. Quest 4-1漕ぎ手の嘆き1.2.4.3. Quest 4-2沈黙の人足1.2.4.4. Quest 4-3労働の喜び1.2.4.5. Story 4-2真の隊長
1.2.5. 白の町
1.2.5.1. Story 5-1似た者同士1.2.5.2. Quest 5-1揺れる足取り1.2.5.3. Quest 5-2回る天井1.2.5.4. Story 5-2交流の効用
1.2.6. 天地の狭間
1.2.6.1. Story 6-1どうしてまだここに1.2.6.2. Quest 6-1白き回廊1.2.6.3. Quest 6-2光の城郭1.2.6.4. Story 6-2光の騎士団長
1.2.7. 白の王宮
1.2.7.1. Story7-1 不思議な人1.2.7.2. Quest7-1 あたたかな印象1.2.7.3. Quest7-2不確かな信頼1.2.7.4. Story 7-2出来ることには限りがあるから
1.2.8. 白の監獄
1.2.8.1. Story 8-1頭の整理1.2.8.2. Quest 8-1穏やかな闇1.2.8.3. Quest 8-2思索の森1.2.8.4. Story 8-2密かな想い
1.2.9. 黒の大地
1.2.9.1. Quest9-1 黒き漂い1.2.9.2. Story9-1 家族として1.2.9.3. Quest 9-2魔獣の息吹き1.2.9.4. Quest 9-3闇の滞留1.2.9.5. Story 9-2王と宝冠
1.2.10. 黒の市街地
1.2.10.1. Quest 10-1戦争の影響1.2.10.2. Story 10-1スレスレの大人1.2.10.3. Quest 10-2犠牲の民1.2.10.4. Quest 10-3徴発1.2.10.5. Story 10-2監視の時勢
1.2.11. はるか天空
1.2.11.1. Story 11-1持つてる子1.2.11.2. Quest 11-1空域のない戦争1.2.11.3. Quest 11-2生と死の境界1.2.11.4. Story 11-2憎悪の芽
1.2.12. 始祖のルーンの問
1.2.12.1. Ouest- 12-11.2.12.2. Ouest- 12-2黒と白の決壊1.2.12.3. Story 12-1彼方よりのつぶやき1.2.12.4. Ouest- 12-3悲劇の引き金1.2.12.5. Story 12-2罪のはじまり
2. 思い出
2.1. 闇の王子
2.1.1. 思い出12.1.2. 思い出22.1.3. 思い出32.1.4. 思い出42.1.5. 思い出52.1.6. 思い出6
2.2. 光の王
2.2.1. 思い出12.2.2. 思い出22.2.3. 思い出32.2.4. 思い出42.2.5. 思い出52.2.6. 思い出6


1.2.1. 白の王国辺縁部

1.2.1.1. Story 1-1孤独の王


戦場へはいつも一人で着く。
王宮ではみんなに囲まれ……
王は、 私だから。
<始祖のルーン >の力、
一人しかいないから。

責任がある。
人々の命を守り、そして──
───世界の形も、
そのために守るべきものが、
───命を賭して、 それを守る───
この天空に立つのが、


アイリス:
空が───軋む───



1.2.1.2. Quest 1-1光と風と
1.2.1.3. Quest 1-2増長する本能
1.2.1.4. Story- 1-2闇の膨張




アイリス:
───さっきまでの戦闘が嘘のよう。
空は青く、 澄み渡って───

───こんなに、 穏やかなのに……

…………

感じる……
<>は地に在り、
そこで膨れている……

どうして…… ?

白も黒も、 世界の<均衡>を
保つために、 手を
取り合わなければならないのに……

あなたは…… 何を思って……

<>に背くの……?




1.2.2. 白の王宮周辺

1.2.2.1. Story 2-1やがて栄えし、 森よ




テオ:
───ヘつ───

……っぷしょん!……
……あー、 なんだろ、 急に……

……まさか、 兄ちゃんに! ?

……ないない。
ただのハナムズだろってね。



アランティア:
何を一人で言っている?



テオ:
え?



アランティア:
私はアランティアという。
少年、 名前は?



テオ:
テオです! 初めまして。
アランティアさん。



アランティア:
初めまして。
その抱えているのは?



テオ:
鉢植えです!

なんか、 いままで置いておいた
場所だと、 うまくツボミが
花にならないみたいで……



アランティア:
ふむ…… その種は、
ルーンの影響を
色濃く受けているからな。

だが、 心配はない。
潤沢なソウルがあれば、
きちんと花開くはずだ。



テオ:
あ、 そうなんですね!



アランティア:
……だが、 おかしいな。
この白の王国の中は、
どこも豊潤なソウルで
満ち満ちているはずだが……



テオ:
アランティアさん! ありがとー!



アランティア:
……おやおや。 せっかちな少年だ。
……ふふふ……

しかし、 嬉しいものだな。
幼子が、 植物を
愛してくれるというのは……

大きく育てよ、 植物よ…… !
いつかは、 広大な森へと…… !



1.2.2.2. Quest 2-1木々の祖先
1.2.2.3. Quest 2-2精霊の住まう天空
1.2.2.4. Story 2-2精霊の宝冠




側近:
しかし、 精霊と妖精の宝冠とは……
そのような手がありましたとは……



アランティア:
我らはソウルが形を成した存在。
だからこそ可能でございます。



側近:
ですが、 アイリス様の
あのご様子では……



アランティア:
犠牲と捉え、 あまり良くは
思われていないのかも
しれませんな。



側近:
お優しい方ですからな……
優しすぎるほどに……



アランティア:
ええ……



側近:
強行するような発言をいたしました。
お許しくだされ。



アランティア:
わかっておりますとも。



側近:
ならばいま一つ、
質問をしてもよろしいでしょうか?



アランティア:
私に答えられることでしたら、
なんなりと。



側近:
妖精族と精霊族というのは、
どう……違うのでしたでしょうか?



アランティア:
そっ、 それを聞きますか! ?



側近:
お恥ずかしい……



アランティア:
まぁ…… 良いでしょう。
確かに、 明確に把握している者は
少ないかもしれませぬ。

極論、 同じです。



側近:
なんと。



アランティア:
先に申し上げました通り、
妖精族も精霊族も、
ともにソウルの化身。

強いて区別いたしますと、
精霊族の方が、
実体を持っていることが
少ないという違いはあります。



側近:
ふむ……



アランティア:
ですので、 宝冠と化す力の
主だった部分は、 精霊が
担うこととなりましょう。

妖精族は、 さらにその力を
増すための機能を
請け負うことになります。



側近:
なるほど……



アランティア:
ちなみにエルフ族は、
妖精族の方に
分類されるでしょう。


側近:
得心いたしましたぞ。



アランティア:
ただ、 今回の宝冠の儀は、
私が代表を務めさせて
頂く手筈となっております。

とりまとめ役として。



側近:
そうでございましたか。

その…… 宝冠となる精霊たちは、
決まっておられるのですか?



アランティア:
候補はおります。

一なる宝冠には、
炎の化身、 カジャ。

ニなる宝冠に、
水の現身、 オウスイ。

三なる宝冠には
雷の化現、 ライダスを。



側近:
おぉ…… それは心強い……



アランティア:
ご存じでございましたか。



側近:
その名くらいは。
しかし…… その三者は、
白の王国においても、
それぞれの元素を司る
重要な精霊では?



アランティア:
ですから意味があるのです。

ご心配には及びません。
精霊は、 潤沢なるソウルより
生まれ出ずる存在。

rいずれ、 代わりの精霊も
生まれてくることでありましょう。



側近:
……とはいえ……

……負けられませんな。



アランティア:
ええ。 そのために、
皆、 命を賭するのですから……




1.2.3. 黒の町

1.2.3.1. Story 3-1姫様はご機嫌ナナメ




グローザ:
…………



兵士:
…… グローザ様?



グローザ:
…………

疲れた。



兵士:
!!  ぜ、 全体、 止まれ!
休息を取る!



兵士:
はっ!


グローザは、 瞬時に設置された



グローザ:
…… まったく……
どうしてあたしがわざわざ! ?

辺境で暴走した魔獣の鎮圧なんか、
<ヴェガン >に
任せておけばいいでしょ?

こういうときのための
連中じゃないの?



兵士:
ごもっともなのですが……



グローザ:
なによ?



兵士:
ヴェガン族ばかりに任せることを、
よく思わない立場も……



グローザ:
わかってるわよ!
娘に諭すように
言わないでくれる! ?



兵士:
す、 すみません。



グローザ:
…… 面倒だこと!

どのみち、 王には
敵うはずがないところで、
権力争いなんかしたって!



兵士:
あ、 あまり大きな声で申されては……



グローザ:
誰が聞いてるってのよ! ?
前線から外された、
こんな辺鄙なところで!



兵士:
───魔物の襲撃!


!!お下がりください、
グローザ様!


グローザ:
はん。
主も忘れ、 見境なく
暴れるだけの魔獣に───

'''───このあたしが
遅れをとるわけないでしょ! ?'''




1.2.3.2. Quest 3-1魔性の地表
1.2.3.3. Quest 3-2荒れ地の魔獣
1.2.3.4. Story 3-2ほのかな思慕





グローザ:
黒コゲになれっ!
レヴォルト・エクレール!



兵士:
す、 すごい…… !

さすがは灰緑の魔障、 グローザ様!




グローザ:
おおげさ。
あんなはぐれ魔獣くらい───


!?



兵士:
しまった!




グローザ:
( くっ。。。。。。 ! 間に合わな───)

え…… ?

……!!




<黒の王子>:

大丈夫ですか?



グローザ:
え、ええ、はい、
もちろん……!

あ、いえ……
ありがとうございます……




<黒の王子>:
よかった。



グローザ:
あ、あの!




<黒の王子>:




グローザ:
黒の王子様は、
どうしてこんなところに?




<黒の王子>:
こんなところ……?



グローザ:
その、 黒の王国から遠く離れ、
どうしてこんな辺境に?

( …… ああ、 どうでもいいことを
聞いているかもしれない…… )



<黒の王子>:
……遠くもありませんが。



グローザ:
え?



<黒の王子>:
このあたりで、
いつもヴァルアスと
剣の稽古をしています。

たまたま見かけたので、
あいさつがてら…… と。



グローザ:
え! ? そ、 そうですね、
まだ全然王国の近くでしたね……



兵士:
…………



グローザ:
なんで言わないのよ!



兵士:
は、 はぁ! ?



グローザ:
こんなところで休んでどうするの!
目的地は、 もっとずっと
先でしょうが!

休憩やめ! 行軍再開よ!



兵士:
は、はいっ!





<黒の王子>:
やはり、 お急ぎなのですね。
では、 これで。



グローザ:
あっ……!




<黒の王子>:
また。



グローザ:
…………



兵士:
グローザ様!



グローザ:
…………



兵士:
グローザ様!
行軍再開の準備が整いました!


グローザ:
…………



兵士:
グローザ様? グローザ様!



グローザ:
うるさいわね!



兵士:
は、はいっ! すみませんっ!




グローザ:
……黒の王子様……


……はぁ……





1.2.4. 飛行島戦艦

1.2.4.1. Story 4-1兵卒のうた




兵士:
地面恋しや♪




兵士たち:
ほーやれほー♪




兵士:
ミミズ恋しや♪



兵士たち:
ほーやれほー♪



兵士:
ガキの作った♪



兵士たち:
おとーしあなー♪



兵士:
ハマってやるのが♪



兵士たち:
ちちーごころー♪


兵士たち:
やれ ほーやれほー♪
やれ ほーやれほー♪



兵士A:
なあ兄弟?



兵士B:
なんだ兄弟?



兵士A:
俺たちゃ何やってんだ?



兵士C:
決まってんだろ、 櫓を漕いでんだ。



兵士A:
空なのに?



兵士B:
空がなんだ。



兵士A:
水じゃねえのに?

兵士C:
ひゃっほー、 スカスカだぜー。



兵士A:
進んでんのかよコレ?



兵士C:
おお! あれはくだんの天空大陸!



兵士A:
嘘こけ! 窓もねえってのに!





兵士C:
恐ろしいうわさを聞いたんだ。




兵士A:
なんだ?



兵士C:
この戦艦の、 動力なんだが……

魔法らしいぜ……



兵士A:
まほーう!?



兵士B:
おい、 じゃあなんだ! ?
俺たちゃ何をやってんだ! ?



兵士C:
そこだぜ問題は!



兵士B:
まったくゆゆしき問題だぜ!



兵士A:
なんのためのほーやれほーだ!



兵士たち:
やれ ほーやれほー!
意味もないのに ほーやれほー!





隊長:
お前たちの番だぞ。 見張り。




兵士たち:
はっ!



隊長:
すげぇうるさかったんだが、
何を騒いでたんだ?




兵士A:
いえ!
ただの『 ごっこ遊び』 であります!



隊長:
そうか…… いや、 そうかじゃねえ。



仕事中だってことを
忘れんじゃねえ。
三人とも飯抜きだ。



兵士たち:
はっ!!!



1.2.4.2. Quest 4-1漕ぎ手の嘆き
1.2.4.3. Quest 4-2沈黙の人足
1.2.4.4. Quest 4-3労働の喜び
1.2.4.5. Story 4-2真の隊長





兵士A:
さて…… 特使様、
無事に王宮に着いた頃かな?



兵士B:
いっときは、 斬り捨てられんじゃ
ねぇかって騒ぎだったが。



兵士C:
上手くやったんだろうぜ。
さすが後継者様は、 口も立つ。




隊長:
おまえらなぁ……
本当に仕事だって意識、
持ってるか?




兵士A:
はっ! 隊長、
よろしいでしょうか!



隊長:
なに?



兵士A:
名前でお呼びください!




兵士B:
私も同じことを思ってありました!




兵士C:
私の予想が確かならば、
無用なわかり辛さが
生まれているのではないかと!





隊長:
なにが?
だって、 俺、 三人の顔で
見分けつくけど?




兵士A:
隊長はそりゃそれで
いいんでしょうが!



兵士C:
世界には隊長だけが! ?
いや違う、 もっといます!



隊長:
そうだけども。




兵士B:
名前で呼んでくだしゃんせ!




隊長:
よしわかった!
言うこと聞かなかったら、
お前ら永遠にしゃべる気だな! ?



兵士A:
永遠などと!




兵士B:
誰が経験!



兵士C:
しりゃりょうか!



隊長:
うるさい!
名前で呼んでやる、
このスットコドッコイども!



兵士たち:
ウェーイ!



隊長:
お前はアチベー!



アチベー:
はっ!



隊長:
お前はバカセ!



バカセ:
はっ!

いやさすがになんかない!?



隊長:
うるさい!
残りのお前はしーちゃんだ!



しーちゃん:
アダナですが! ?



隊長:
やいやい抜かすな!
じゃあチャンシーだ、
おまえみたいなモンは!



アチペー:
あっしはアチのアチベーでんがな!



バカセ:
バカとはなんだ! 撤回しろ!



しーちゃん:
ちょっと女の子っぽく
なくなくない?



隊長:
静かにしろ!
めいめい、 己の名を
甘んじて受け入れんかーっ!



真の隊長:
…………



はっ! ?




真の隊長:
お前ら、 楽しそうだな。



兵士四人:
……は……



真の隊長:
掃除だ。 この飛行戦艦を、
隅から隅までピッカピカにするまで
帰ってくるな。

いいな?



兵士四人:
……はっ……




1.2.5. 白の町

1.2.5.1. Story 5-1似た者同士




ファイオス:
様子を見に来てやったぞ。
特使サマ。



アデル:
…………………… おう。



ファイオス:
なんだ? 何をしていた?



アデル:
なんもしちゃいねえさ。
<待ち >っつー時間を
持て余してただけだ。



ファイオス:
なんて態度と口の利き方だ。



アデル:
酒なんかが目に入らなきゃ、
俺もここまで崩れねえんだが。



ファイオス:
目ざとい男だ。
この部屋には一人か?



アデル:
ああ。 全員個室を与えられた。
用心深いことで。



ファイオス:
気兼ねしなくていいだろう。
羽でも伸ばせ。




アデル:
敵国のど真ん中で、 無理な話だろ?



ファイオス:
それを可能にするのが
コレだというワケだ。




アデル:
不良騎士団長だな?




ファイオス:
これも職務だ。
酔った特使がボロを出せば、
即座に斬って捨てるのさ



アデル:
そう言われて
出るポロだと思うかね?



ファイオス:
試してみなければわからん。



アデル:
よし。 その試みに、
俺も付き合ってやろう。



ファイオス:
何を偉そうに。



アデル:
まあ適当にくつろいでくれ。
アテはないがな。

騎士団長サマ、 部下に命じて
持ってこさせてくれよ?



ファイオス:
そこまで甘えるな。



アデル:
ちっ、 駄目か……



ファイオス:
ま、肴がなくなったら
すぐに帰るさ。



アデル:
俺の不満をダシに飲む気か。
いい性格してやがる。



ファイオス:
お前もな。



アデル:
ふん。 似てるなんざ、 思わねえぞ?



ファイオス:
何と何がだ?



アデル:
言ってろ。



1.2.5.2. Quest 5-1揺れる足取り
1.2.5.3. Quest 5-2回る天井
1.2.5.4. Story 5-2交流の効用




<黒の王子>:
…………

…… 隣には、 今夜も
あいつが来てるのかな?

すごいよなあ……
あんな風に、 誰とでも
すぐに打ち解けるのって。

そういうところは、
見習わなきゃな……

……それにしても……

───光の王───

……それが……
あんな……少女だなんて……

知ってはいたけど……
驚いたな……

…………

(……それに……)

( 気丈に振舞ってはいたけど…… )

( …… どこか…… )

…………

……並び立つことに、
なるのかな……

いずれ…… 受け継いだら……

…………




1.2.6. 天地の狭間

1.2.6.1. Story 6-1どうしてまだここに




アデル:
…………




<黒の王子>:
……!?



アデル:
よう。


どうした、 不思議そうなツラだな?



<黒の王子>:
…… なぜここに?



アデル:
ん~~~~~?




<黒の王子>:
盟約に従い、 <光の王 >は
既に出陣されたはず。



アデル:
知ってる。




<黒の王子>:
特使として、 見届ける義務が
あるんじゃないか?



アデル:
なら…… お前が行ったっていい。
そうだ、 お前、 行っとけ。



<黒の王子>:
どうして自分で行かない?




アデル:
行っても無駄だからさ。



<黒の王子>:
直接は戦わなくてもいい。
だが、 見届ける必要は───



アデル:
結果はわかってる。
バールは堕ちるさ。



<黒の王子>:
……どうしてわかる?



アデル:
そうなるように動いたからな。


もういいか? 俺は疲れてるんだ。

白の連中にだって、
ついて来いとは言われなかった。
それでも行く必要が?



<黒の王子>:
…………



アデル:
わかったわかった。
今からでも、 後を追うさ。


その方がいい気もしてきた。
じゃあな。




<黒の王子>:
! おい……?

…………



1.2.6.2. Quest 6-1白き回廊
1.2.6.3. Quest 6-2光の城郭
1.2.6.4. Story 6-2光の騎士団長




<黒の王子>:
…………



ファイオス:
……お前は。
たしか、 アデルと一緒にいた……




<黒の王子>:
騎士団長ファイオス殿?
どうしてここに?




ファイオス:
なにがだ。



<黒の王子>:
アイリス様に付き従わなくて
よいのですか?



ファイオス:
口を慎め。 貴様などが軽々しく
呼んでよい名ではない。


出てくるな。 部屋にいろ。



<黒の王子>:
バールは強敵です。 なのに、
一人で向かわれたのですか?



ファイオス:
……必死だな?
黒にとって、 あいつは
そこまで目障りということか?



<黒の王子>:
…………



ファイオス:
いいか貴様らのことを、
信用しているわけではない。

俺がここにいる理由はそれだ。



<黒の王子>:
……失礼いたしました。



ファイオス:
……それに……


アイリス様は、 お一人で
戦うことを望まれる……




<黒の王子>:
……?



ファイオスい:
いつまで聞いている。
部屋に戻れ!





<黒の王子>:
…… 一人で…




1.2.7. 白の王宮

1.2.7.1. Story7-1 不思議な人




───その人は、
最初からいたけれど、
でも、 とっても穏やかで、
おかしいと思った。
<闇の王 >の後継者であることは、
なのに…… 逆と言っていいほど、
こんな人が継げるのかな?
もちろん、 何もかも……
話すこともなく、
だから───とても意外でもあった。



アデル:
地に堕ちてから物を言え!



豹変した使者が、
私は瞬間、 反応が遅れた。
そこへ───

今にして思えば───
とても素早い決断だったと思う。
そして、 私の方を見て───



<黒の王子>:
……黒はっ……



…… 辛そうにした。

…………
私は……
知りたい…… そう、 聞いてみたい。
あのとき、 あなたは───
何を、 どう…… 決断したのか───



1.2.7.2. Quest7-1 あたたかな印象
1.2.7.3. Quest7-2不確かな信頼
1.2.7.4. Story 7-2出来ることには限りがあるから



───途方に暮れることがある。
私が背負っているのは、
<光の王 >となって実感した、
ほつれていけば……
それほど絶対的な…… <>……
我ながら、
私は、 黒と戦えと命じながら───
───黒の存続にも加担している。
……いままでの歴史も、
黒と白は、 争いながら、
そうだと思いたくはない。
思いたくはないけど……
私には、 変えられない。
私一人では。
自分だけで出来るのは、




Quest 7-3決意の眼差し




1.2.8. 白の監獄

1.2.8.1. Story 8-1頭の整理




<黒の王子>:
……あのとき、 自分は……

何を言おうとしたんだろう……



……黒は。

…… 黒も…… そこに生きる
民たちは、 同じで……

ただ……王には、
従うよりほかないから……

……悪く…… 思わないで……

…………

……違うな。

あいつを斬った、
あの瞬間は───

ずっとずっと先の未来の……
……何かを……

……選んだ…… ような……

…………

───ダメだ。
上手く言葉にならない。

とにかく───

───謝るとかじゃない……

<光の王 >に伝えるべきことは……

……そういうことじゃなくて……



1.2.8.2. Quest 8-1穏やかな闇
1.2.8.3. Quest 8-2思索の森
1.2.8.4. Story 8-2密かな想い



────<光の王 >と
夜陰に乗じ、 一目散に
───白の王国を発った。



<黒の王子>:
…………

( アデルのことを……
誰も、 何も言わない…… )

( …… 知らなかったのは、
自分だけなのか…… ? )

( だったらどうして、
放っておく? )

( 戻ってから……
何かするつもりか…… ? )

…………


( <光の王 >────アイリス──── )

(あんなに細い肩に……
のしかかっているんだ…… )

(自分の国の民だけではない…… )

(この…… <世界 >が…… )

…………


(支えて……あげないと)

(王だからって、 一人で、
あんなに辛そうに
しなければならない
<世界 >なんて……)

……間違っている。


<黒の王子>:
…………


<黒の王子>:
( 待っていてくれ…… )

( いつか…… 隣へ行くから- )




1.2.9. 黒の大地

1.2.9.1. Quest9-1 黒き漂い
1.2.9.2. Story9-1 家族として




────白の王国・王宮────



アイリス:
…………





ファイオス:
…… アイリス様。
ずいぶん熱心に
祈られておられますが……

あまり根を詰め過ぎませぬよう。
黒との決戦が、 目前に
控えておりますので。



アイリス:
あ…… すいません。
騎士のあなたにまで
心配をかけてしまって……



ファイオス:
いえ。 王の警護が
我が職務でありますから。




アイリス:
ありがとうございます。


…… 本当に。
ありがとうございます、
ファイオスさん……




ファイオス:
お、 おやめ下さい。



アイリス:
お礼くらい言わせてください。
ファイオスさんには、
昔からお世話をかけっぱなしで。



ファイオス:
いえ、 こちらこそ。
妹がご面倒をおかけしました。



アイリス:
シーマさんにも、
とっても可愛がってもらいました。
感謝しています。



ファイオス:
もったいないお言葉。
……ウチのじゃじゃ馬が
喜びましょう。



アイリス:
じゃじゃ馬だなんて。



ファイオス:
誰に似たのか、
口より先に手が出るような
魔道士になってしまい……

……お恥ずかしい限り。



アイリス:
……ふふふ。
小さい頃は、 シーマさんに
よく怒られました。



ファイオス:
いまにして思えば、
なんと恐れ多い……




アイリス:
ファイオスさんにも。




ファイオス:
いまにして思えば、
なんと恐れ多い……



アイリス:
……ふふふ……♪



ファイオス:
僭越ながら、 我ら兄弟は、
アイリス様のことを、
王としてよりも

───家族として、
心より大事に思っております。



アイリス:
ありがとうございます。
ですから私も、 家族として。
心から、 お礼を言いたいんです。



ファイオス:
……はっ。

…… アイリス様には、
黒の者どもの、 指一本
触れさせません。

このファイオスの誇りにかけて。



アイリス:
ありがとうございます。



ファイオス:
礼を言い過ぎですよ。



アイリス:
ふふ、 そうですね。



ファイオス:
そろそろお休みください。



アイリス:
はい。では……





ファイオス:
……アイリス……様……

俺は、 最後の一人になろうとも、
あなたのために、
剣を振るい続けます。

……ご安心ください…… !



1.2.9.3. Quest 9-2魔獣の息吹き
1.2.9.4. Quest 9-3闇の滞留
1.2.9.5. Story 9-2王と宝冠




アイリス:
これが…… 精霊の宝冠……



アランティア:
はい。

宝冠と化した精霊は、
自ら所持者を選びます。

そしてその者に試練を課し、
それを克服した暁に、
途方もない力を与えるでしょう。



アイリス:
…………



アランティア:
重ね重ねとなりますが、
アイリス様が気に病むことは
何もありません。

むしろ、 誉れでありましょう。
選ばれし者に力を貸し、
平和のために戦うのですから。





アイリス
そう……ですね。



アランティア:
そしてもう一つ、 アイリス様。
宝冠の力を引き出すために、
お力添えをお願いいたします。



アイリス:
私に出来ることでしたら、
なんなりと。


アランティア:
選ばれただけでは、
宝冠の力の全てを
引き出すことは叶いません。


その者、 アイリス様の前に
現れたとき、 どうか、
お授けくださいませ。

白の祝福───光の道しるべを。



アイリス:
光の…… 道しるべ。

わかりました。



アランティア:
では、 最初の祝福を
お願いいたします。

さすれば宝冠は
永遠に朽ちることなく、
選ばれし者を待ち続けるでしょう。



アイリス:
はい。

正しき力は、 正しき者へ。

どうか、 いつまでも───

世界に安らぎが、ありますように。




1.2.10. 黒の市街地

1.2.10.1. Quest 10-1戦争の影響
1.2.10.2. Story 10-1スレスレの大人




少女:
おうじさま……
つれてかれちゃった……



少年:
くっそー! なんだよー!
やってもよかったんだぞー!



少女:
うそばっかり。 びびってたもん。



商人:
命拾いしたな、 ぼうず。



少年:
なんだよ、 偉そうにー!
おっさん、 大人なんだから、
もっとはむかえよなー! ?



商人:
大人だからこそ、
歯向かわないんだよ。



少年:
そんなのきベんだー!



商人:
お、 難しい言葉知ってるな。



少年:
おうじさま、
なにも悪いことしてないんだぞ!
なんで連れてかれるんだよ!




商人:
う〜ん……



少女:
…… もしかして、 見えないところで
悪いことしてた…… ?



少年:
なっ! ? そんなわけないよっ!



商人:
そうだなぁ……
王子様は、 何も悪いことは
していないが……

『ソレ』 を悪いことだと、
考えた人がいたのかもなぁ。



少年:
なんだよそれー! ?
きべんだー! そのにー!



少女:
その人って…… おーさま……?



商人:
しっ!!




少女:
!?




兵士:
…………



商人:
へへ…… どーも。



兵士:
…………




商人:
…… ふ〜……
どうなるかと思った……




少女:
いまの……?




商人:
おじょうちゃん。
いま、 この国は、
大きな戦争を控えている。

そうなってくると、
前は言えてたことが、
言えなくなったりもするんだよ。



少女:
…………



少年:
そんなのおかしい!



商人:
そうだな。 そう思うよ。
だから私も、 いつも
スレスレのことを
言うようにしてるんだが、 ね。



少年:
スレスレってなんだよ?
言いたいことがあるなら
はっきり言えばいいだろ!



商人:
だから、 それが難しいのが
今のご時世なのさ。



少年:
うぅぅぅ……!



商人:
ほら、 暗くなる前に帰んな。


少年:
……わかったよ! じゃあな!



少女:
ばいばい、 商人のおじさん……



商人:
ああ、 気をつけて……



1.2.10.3. Quest 10-2犠牲の民
1.2.10.4. Quest 10-3徴発
1.2.10.5. Story 10-2監視の時勢



商人:
さあさあ見てって!
今日も今日とて大安売りだ!

芋やら野菜の切れっばしが、
赤字覚悟の大安売りだ!

まずは腹に詰め込んで!
未来のことはそれからだ!
さあさあ見てって見てって!




兵士:
おい。



商人:
おっ、 兵隊さんいらっしゃい!
入り用なのはどいつだい?



兵士:
入り用だと? ハッ。



商人:
へ?



兵士:
なんだこの品揃えは?
ガキのママゴトの方が
まだマシだぜ。




商人:
…… お言葉ですがね、 兵隊の旦那。
あたしらの商品は、
全部軍に供出したんだ。

あんたらのオマンマに
差し上げたんですよ。
そんな言い方ねえでしょう?



兵士:
ああ、 あのクソマズイメシの
原因は貴様かいい迷惑だ。



商人:
はぁ! ?
聞き捨てなりませんなぁ! ?

こっちは、 して欲しくもない
戦争を支えるために、
メシも食わずに協力してんだ。

あんたはどうしてここに?
どうせ、 たいした戦力にも
なりゃしないからでしょうなぁ!



兵士:
そうでもない、 まだまだ現役さ。
さて、

聞き捨てならんことを言ったな、
貴様。



商人:
……は! ?



兵士:
『 してほしくもない戦争』 だと?
よくそんなことが言えたものだ。

陛下御自ら最前線に
立たれているというのに、
貴様は、 黒の民として───

───恥ずかしくはないのか!



商人:
!!




兵士:
───こんなものか。
探せばまだまだいそうだがな。

行け!




商人:
どこに連れて行く気だ!#




兵士:
……なあ、 オヤジ。
今は戦時中だ。
それくらい理解できるな?



商人:
当たり前だろうが!



兵士:
いまから行くのは、 それを『 より』
理解できるところさ。



商人:
!!



兵士:
───行け!






商人:
…………




少年:
……おじちゃん……



少女:
…… うぅ……




1.2.11. はるか天空

1.2.11.1. Story 11-1持つてる子




テオ:
…… !

始まった…… !

……兄ちゃん…… 姉ちゃん…… !

がんばれ…… !

!!

!? う、うわぁあああああっ!

!!

あぶねー! なんだよもー!

僕じゃなかったらくらってたぞー!

くっそ……!
みんな戦ってるんだ……!

こうなったら、 イチかバチか……!

僕だって!

テオが集中すると、


テオ:
うう、 ソウルの流れが
めちゃくちゃだ…… !
早く…… !

!!

もうだめだ!? やっちゃえー!



魔物:
!?



テオから放たれたソウルは


テオ:
…………

……ふぅ~……!
なんとかなったぁ……!

姉ちゃんたちから、
魔術を習ってて良かった…… !

あぶなかったぁ……
…… 僕、 持ってんのかなぁ…… !



1.2.11.2. Quest 11-1空域のない戦争
1.2.11.3. Quest 11-2生と死の境界
1.2.11.4. Story 11-2憎悪の芽




シーマ:
あぁぁあああああああっ!?

うぅぅぅぅっ!?

<白の巫女 >……<光の王 >……
……アイリス……

うぐぅっ!?

…………

……なんでよ……

なんで私じゃなくて、
あいつが持っているの……?

私が欲しいものを───全てッ!

白の……巫女ォォオッ!

───はっ!?



魔道士:
大丈夫ですか、 シーマ様! ?



シーマ:
え、 ええ……私は……?



魔道士:
闇に呑まれ……!




シーマ:
……そう…… ふふ。




魔道士:




シーマ:
<闇の王 >も、
たいしたことないわね!

たかが魔道士一人、
黒く染めることも
できないだなんて!



魔道士:
おお! さすがはシーマ様です!



シーマ:
…… アイリス様は?



魔道士:
おそらく始祖のルーンの間に。



シーマ:
わかったわ。 私たちは、
引き続き、 市街地の魔物を
掃討する!

民たちのことは、
我らが守るのよッ!



魔道士:
はっ!


───しかし、 植え付けられた
心の奥底にあった、
…………
……



テオ:
……ダメだ、こんなの……!

くそぅ……
でも、あきらめないぞ……!

最後の一人になっても、
捕まらないからな!

いつまでだって逃げ続けてやる!




1.2.12. 始祖のルーンの問

1.2.12.1. Ouest- 12-1
1.2.12.2. Ouest- 12-2黒と白の決壊
1.2.12.3. Story 12-1彼方よりのつぶやき




???:
…………

……ちがう……

ちがうよ……!

あなたたちが願えば……

<>なんて…… !

白でも黒でもない、
小さな呟きが、


???:
悲しむために、
あるんじゃないの……

すれ違うために、
いるんじゃないの…… !

どうにか───しなきゃ───!

その声は…… どこかで……
……そう……

<光の王>───<白の巫女>だけが
覚えられぬほど───微かに───!



1.2.12.4. Ouest- 12-3悲劇の引き金
1.2.12.5. Story 12-2罪のはじまり



───その時───


シーマ:
……?


───まさか!?

自爆! ? 白の民は、 まだ───




テオ:
姉ちゃん!




シーマ:
テオ!? どうしてここに!?



!!!

───その日。
わずか三人を残し、
───その時───



ヴァルアス:
───なんだ! ?  この振動は───



ファイオス:
うぉおおおおおおおっ!!!


ヴァルアス:
ぐぅあああああああっ!?




ファイオス:
はぁああああっ!!!



ヴァルアス:
き……さまぁ……!



ファイオス:
教えてやる。

貴様の王より、
俺の王の方が尊い───

その差だ。



ヴァルアス:
……おぉおおおおっ……!!!

重傷を負ったヴァルアスは、


ファイオス
逃げたか……

……アイリス様は
ご無事だろうか……
いま、 どちらに…… ?

!?

これは…… ! ?
<始祖のルーン >の輝き…… ! ?

───強すぎる! まさか…… !?

───なぜです!?

俺は勝った! なのに!
なぜ俺を待ってくださらない!

なぜ───────!!!


そのうちの一人、 ファイオスは───
瀕死の重傷を負いながらも、
閉じる寸前の<>をくぐった───
時間と座標が


ファイオス:
…… なぜ……

望んでも死ねぬまま、


ファイオス:
待ってくれなかった……

五年なのか、 十年なのか、


ファイオス:
…… なぜ……

出口を許されぬ思考は、


ファイオス:
───アイリス───

そのうち、 男は。
とっくりと。


ファイオス:
…… くくくくくく…… !

狂った。


ファイオス:
…… あははははははは…… !

永き刻のうち変化が起こった。
視界を視界と認識したとき───
簒奪した。
それは、 その空間、
<混合>と───<分離>───


ファイオス:
───ぎゃははははは!













2. 思い出

2.1. 闇の王子







黒の少年
CV: 梶裕貴
闇の王子




2.1.1. 思い出1




───それはずっとずっと昔の、
───運命の歯車が、



???:
…………


───地は、 荒廃していた。
清浄なソウルに包まれた
統べる<>はいるものの、
人々は、 <闇の王 >の元、
───辺境に住む民は、


???:
…………



男:
何をしている?



???:
……?



男:
このあたりに集落が
あったと聞いたが?



???:
…… なくなったよ。



男:
なくなった?

……ならお前は、
ここで何をしている?



???:
穴を掘っている。



男:
穴を…… ?



???:
いけないか。



男:
何の穴だ?



???:
魔獣に殺された人たちの。



男:
…… 親か。



???:
村にいた大人たちは、
みんなよくしてくれた。



男:
……そうか。



???:
……何か用?



男:
まだ掘るのか?



???:
近くの村も全部やられたから。



男:
小僧、 もうやめろ。
お前が先にのたれ死ぬぞ。



???:
そんなつもりはない。 ちゃんと寝てる。



男:
飯は。



???:
…………



男:
夜にまた来る。



???:
…………

泥塗れの黒髪が風に揺れる。
少年は一人、



2.1.2. 思い出2




男は宣言通り夜またやってきて、


男:
食え。


???:
どうして、 くれる?



男:
警戒するな。 気まぐれだ。



???:
…………



男:
お前、名前は?



???:
…………



男:
じゃあ好きに呼ばせてもらおう。

{黒の少年}


{主人公}:
…………



男:
気に入らんか? まあ、 いい。

いずれ、 別の呼ばれ方を
されることになるだろうさ。



{主人公}:
……?



男:
穴は掘り終わったか?



{主人公}:
まだだ。



男:
もう十分だろう?



{主人公}:
……もっと増える。



男:
…………



{主人公}:
なあ、 あんた。
この国は、 どうして
こんなに荒れてるんだ?

<闇の王 >というのが、
治めているんじゃないのか?



男:
なぜ知っている?



{主人公}:
みんな知っていた。



男:
そうか。



{主人公}:
だけど、 守ってはくれない、 と。
魔獣は危険なままだ。



男:
…………



{主人公}:
王は、 天が憎いのか?



男:
なぜそう思う?



{主人公}:
この大地を見ていないから。
ここに住む、 人々のことを
考えているとは思えないから。



男:
王には王の考えがあるさ。



{主人公}:
本当か? 本当に、
正しいことを、考えているのか?


男:
お前が思う正しいこととは?



{主人公}:
……みんなが幸せになること。



男:
浅いな。



{主人公}:
……だから穴を掘るのさ。



男:
……ほう……

また来る。



{主人公}:
好きにしなよ。


…………




2.1.3. 思い出3





男:
…………



{主人公}:
…………

よく飽きないな、 あんた。



スキアーズ:
スキアーズだ。
名乗ってなかったか?



{主人公}:
始めて聞いた。



スキアーズ:
お前こそ飽きないな。
一体いつまで穴を掘る?



{主人公}:
前に言った。 これじゃまだ小さい。



スキアーズ:
どれぐらい深ければいい?



{主人公}:
……天に届くほど。



スキアーズ:
興味深いな。 どういうことだ?



{主人公}:
わかってくれとは言わない。
ただ……



スキアーズ:
ただ?



{主人公}:
……真っ暗い穴の底まで
白い光が射すときがある。

それは……好きだ。

分け隔てのない、
優しさのように思えるから……



スキアーズ:
…… そうか。



{主人公}:
天と地にこだわる意味はない。
穴に入れば、 みんな同じだ。

なんとなく、 そう思うから。



スキアーズ:
…………

スキアーズは、 一振りの剣を



{主人公}:




スキアーズ:
拾え。穴を掘らなくて
よくなる方法がある。

それを教えてやる。




2.1.4. 思い出4





───くぅっ!?



スキアーズ:
どうした。
まだ終わってはいないぞ。



{主人公}:
……こんなこど、頼んでない。



スキアーズ:
そうだな。 だが、
お前は拒まず俺に立ち向かって来た。

どうしてだ?



{主人公}:
…… こう言いたいんだろう?
『人々を魔獣から守れるくらい、 って……



スキアーズ:
誰がそんなことを言った。


{主人公}:
?!


スキアーズ:
死ね。
絶望し、
世界を呪うしか出来ぬのなら───

───お前の命に価値はない!



!!



スキアーズ:
ほう。



{主人公}:
あんたこそ、 何を考えている?

殺す気なら、
手加減はいらないだろう! ?
なんのつもりだ! ?




───フン!



ぐぅっ!!



スキアーズ:
気まぐれだ。



{主人公}:
……気まぐれで生かし、
気まぐれで殺すのか……!



スキアーズ:
そうだ。



{主人公}:
何の権利が有って!



スキアーズ:
言えば納得するか?



{主人公}:
くっ!?



権利は、 有る。
貴様には会うことすら叶わぬ
誰かが、 それを持っている。

それは真理だ。
だが真理を知ってどうする?
理由さえあれば従うか?


{主人公}:
……<闇の王 >のことか!


スキアーズ:
そうだ。 <闇の王 >に従うは、
黒なる民の宿命。



{主人公}:
あんたは王じゃないだろう!




───はぁっ!!!



{主人公}:
うあぁぁああああっ!?



スキアーズ:
……そうだな。
俺は王ではない……

───王に<なりかけた >半端者だ。



{主人公}:
……!?



スキアーズ:
命冥加な小僧め。

また来るぞ。



{主人公}:
なんなんだ……あいつ……!



2.1.5. 思い出5




スキアーズはその後も、
何度も彼の元へ訪れた。



{主人公}:
───うぉおおおっ!



スキアーズ:
まだまだだな。



くそっ!



スキアーズ:
その程度で俺の命は
くれてやれんぞ。

さあ、 もっと抵抗しろ。
でなくば今日こそここで、
貴様を穴に送ってやる。



{主人公}:
くっそぉおおおっ!


スキアーズは訪れる度、
そんな日々が、続いた───



{主人公}:
…………



スキアーズ:
俺を待っていたか?



{主人公}:
……ああ。

一つだけ、わかったことがある。



スキアーズ:
なんだ?



{主人公}:
あんたの意図はわからないが───

'''あんたを倒さない限り!
ここからどこへも
行けないってことだ! '''



はっ! くだらん!

スキアーズ:
仮に俺を倒して!
貴様はどこへ行こうというのだ! ?



{主人公}:
勝ってから決める!



不可能だな!



うぉおおおおおっ!



スキアーズ:
……小僧、 やるようになったな!



{主人公}:
おかげさまでっ!



スキアーズ:
目は覚めたか! ?



{主人公}:
何がだ! ?



スキアーズ:
'''貴様の理想……それ自体は、
誰に咎められることでもない!'''

だが!

『 人々を幸せにすること』 は、
容易ではないっ!
半端な覚悟では背負えぬ!



{主人公}:
そんなことはわかってる!



スキアーズ:
ならば、 どうするっ!
いつまでも穴を掘り、
天の助けを待つだけかっ!



!!



スキアーズ:
いいかげんに観念しろ!
理想が見えてしまった者には───

───実現させるために!
命を燃やす義務があるっ!



{主人公}:
なら……やってやるっ!

なってやるともっ!
<>にでも、なんでもっ!



2.1.6. 思い出6





スキアーズ:
……くくくくく……




!?



スキアーズ:
ははははははは……!



なんだ…… ! ?



スキアーズ:
嬉しいのさ。



{主人公}:
……何がだよ?



スキアーズ:
最期に、 こんな奇跡が
待っていたとはな……



{主人公}:
……奇跡だって…… ?



スキアーズ:
……よくやった。



{主人公}:
まだ終わっちゃいない。



スキアーズ:
いいや、 時間切れだ。

俺の、 な……



{主人公}:
お、おい、あんた!?



スキアーズ:
俺は、 いまの代の<闇の王 >と
後継者の座を争ったんだ。
老骨に決まってんだろ。



{主人公}:
何を言ってんだよ…… ?



スキアーズ:
小僧。 貴様にその剣をやる。

それを持って王都へ行け。
俺の館がある。 こう見えて、 名家だ。
その剣を持つ者が、
当主とみなされる。



!?



スキアーズ:
そして、 名乗りを上げろ。
自分こそは<黒の王子 >、
<闇の王 >の後継者候補だと。



{主人公}:
そんなことしてどうなる?



スキアーズ:
ヴァルアスという騎士がいる。
あいつは公平だ。

お前の剣の腕を見れば、
きっと目をかけるだろう。
認めさせれば、 位にも忠実だ。



{主人公}:
やるなんて言ってないぞ。




スキアーズ:
そこは……頷け……
俺に似た小僧よ……



{主人公}:
あんたに似てる! ?
ハッ、 冗談だろ?



スキアーズ:
言葉づかい、 もう少し改めろよ。
出来るだろ、 そのくらい?



{主人公}:
…………



スキアーズ:
俺もな…… 感じていたのだ。

<>だけじゃない……
<>にも、 安息を、 な……



{主人公}:
……あんた……スキアーズさん……
本当にもう、 終わりなのか…… ?



スキアーズ:
お前にやられたわけではない。
もうとっくに、 空っぽだった。

<>の力を、供給されなく
なっていたからな……



{主人公}:
…………



スキアーズ:
ま、 諦めるんだな。
面倒な奴の面倒な遺言を
聞いてしまった、 と。

……頼んだぞ。
今の世界は、 正しくはない……

お前の時代で……
変えてみせろ…… !


{主人公}:
……ああ……

{主人公}:
!?  この、光は……!



スキアーズ:
!! 黒に生まれながら、
その<光>は……!



{主人公}:
自分が…… 放っているのか…… ?



{主人公}:
……任せたぞ……



{主人公}:
……スキアーズ……さん……!


{主人公}:
……好き勝手言ってくれて。
……だけど、 わかったよ……

あんたの言った通り……!
まずは、 その<闇の王 >の
後継者に、 なる……!

そうしたら……
きっと出来るんだよな…… ?

世界中のみんなを、幸せに───


そのとき、 主人公が
───天から降り注ぐ白い光が、




闇の王の後継者
CV: 梶裕貴
闇の王子
黒の大地で生きる少年。
強い正義感を持ち、 世界の理に問いかける。




2.2. 光の王












白の少女
CV: 堀江由衣
アイリス




2.2.1. 思い出1

───それはずっとずっと昔の、
───運命の歯車が、


アイリス:
───ルーンの輝きよ……
白に生きる全ての者に、
安らぎを与えたまえ……



シーマ:
あら、 アイリス?
お祈りしてたの?



アイリス:
はい、 いま終わりました。



シーマ:
相変わらず早いのねぇ。



アイリス:
早起きだけが取り柄ですから。



シーマ:
見習いたいわ。



アイリス:
そんな。 シーマさんには、
ファイオスさんとテオくんの
お世話もありますもの。



シーマ:
そうなの。
お兄様、 自分一人だと
歯も磨けないのよ。



アイリス:
えっ! ?



シーマ:
それは嘘。 でも、
靴の紐も結べなくて。



アイリス:
えぇっ! ?



シーマ:
これが意外と本当なのよ。



アイリス:
じゃ、 じゃあ、
紐のない靴を履けば……



シーマ:
そうしているみたい。
本当、 同じ兄弟とは思えなくて。
テオは手先も器用なのに。



アイリス:
テオくん…… 将来が楽しみですね。



シーマ:
ふ~ん…… どう?



アイリス:
どうって?



シーマ:
テオいる?



アイリス:
そ、 そんな、 物みたいに……


シーマ:
冗談よ。
それに、 そんなことを
考えている暇もないわよね。

私も同じ。



アイリス:
はい。


シーマ:
私とあなた……
どちらが<光の王 >の
跡を継ぐかわからないけど……

どちらが選ばれても
恨みっこなしでいきましょう!


アイリス:
はい!


───それは…… 悲劇を生んだ



2.2.2. 思い出2




───<光の王>の後継者候補、



アイリス:
……ルーンの輝きよ……
白に生きる全ての者に、
安らぎを与えたまえ……

まだ薄暗いうちから


アイリス:
…………

そこでシーマと会うこともあれば、


アイリス:
……よし。
じゃあ、 そろそろ行きましょう。


祈祷が済んだ後、


アイリス:
あっ、 ふきのとう。
あっちにはタラノメも♪

日課である山菜採り。


アイリス:
ふふ、 どれもおいしそう♪

いまのところ、 食べるのに
困ってはいないけれど……

食糧は、 いつなくなるか
わからないものね。
備蓄に越したことはないわ♪

案外、しっかり者であった。
……そして<山菜採り >の技術は、
その事実を、 彼女はまだ知らない。


アイリス:
───はぁっ! やぁっ!

アイリスは、 暇を見つけて
<光の王 >となれば、
ルーンの加護によって戦う


アイリス:
……ファイオスさんたちには
敵わないかもしれないけど……
自分一人だけでも、
戦えるようにしなくっちゃ……!

体力をつけ、 武芸を


アイリス:
……ふぅ。こんなもにかしら。

アイリスは、 引き締まった
… このことも、
それも、彼女はまだ知らない。
そして、 夜も更けた頃。


アイリス:
この世界が、 いつまでも───

───平和でありますように───

こうして、 <光の王 >の



2.2.3. 思い出3





???:
──────



アイリス:
───はい。



シーマ:
より一層精進いたします。

…………
……

<光の王 >の後継者たちは、
その帰り───


シーマ:
素敵なあのお方は。
<白の巫女 >と呼ばれるにも
ふさわしい方だわ。



アイリス:
ええ、 ほんとうに。



シーマ:
あの方の跡を継いで、
王になるなんて……



アイリス:
責任重大ですね。



シーマ:
何をいまさら。
怖くなったの?



アイリス:
そんなことは……



シーマ:
私はなったわよ。



アイリス:
シーマさん?


シーマ:
<光の王>ともなれば、
ずっと王宮暮らしだわ。

退屈で死んじゃいそう。



アイリス:
もう、 シーマさんたら。



シーマ:
ふふ。 でも、
お行儀よく、 ずっと玉座に
座ってるのって、 きっと苦労だわ。



アイリス:
それはそうかもしれませんね。 案外



シーマ:
なあに?



アイリス:
あの方も……夜には
お城を抜け出して、
遊んでいたりして?



シーマ:
まさか。 そんな話。
聞いたこともないわ。



アイリス:
でも、 <始祖のルーン >の
力があれば、
容易いことですよね?



シーマ:
そうかもしれないけど……
<光の王 >が、 そんなこと……



アイリス:
ふふふ、わかってますよ。
なんとなく、そう思っただけです。

……<白の巫女 >は、
光と共に天空に在りて、
常に<均衡 >の一端を担う───

───ですもんね。



シーマ:
それも、 言われても
あまりピンとはこないけれど……



アイリス:
王にとっては、 きっと
意味が違ってくるんだと
思います。



シーマ:
でしょうね……



アイリス:
そう───穏やかに微笑む
だけじゃなくて……

王は、 笑顔の裏では、 きっと───



シーマ:
……?
さあ、もう行きましょう。



アイリス:
ええ、そうですね。



2.2.4. 思い出4





アイリス:
───ごちそうさまでした♪
とてもおいしかったです♪



シーマ:
いえいえ、お粗末さまでした。



テオ:
またいつでも来てよ!
三人分も四人分も、
手間は変わらないからさ!



シーマ:
テオ、 そういう台詞は、
自分が料理したときに言うものよ?




テオ:
へへへっ!
姉ちゃんの代弁をしてやったんだい!



ファイオス:
こら。 調子に乗るな。



テオ:
イタッ!
ぶつことないじゃないか!



ファイオス:
ぶってないだろ……
やかましい奴だな。



アイリス:
……ふふふ……♪



ファイオス:
じゃあ、 俺はアイリスを
送ってくる。



シーマ:
はい。



テオ:
おみやげ───!



ファイオス:
買わん。



テオ:
ちぇー!

…………
……


ファイオス:
……まったく……
テオのやつ、 客が来ると
いつもよりうるさくなるから……



アイリス:
にぎやかで、 とっても楽しい
お食事でしたよ♪



ファイオス:
そう言ってくれるならいいが……



アイリス:
いつも、 すみません。
お世話になりっぱなしで……



ファイオス:
アイリスは気にするな。
テオじゃないが、 手間は
変わらないんだから。

山菜もいつももらってるし。



アイリス:
山に行けば、 生えてますが……



ファイオス:
……いや。
アイリスが摘んでくれた山菜は、
他とは違って、 美味いぞ。



アイリス:
そうですか?
誰が摘んでも同じような……



ファイオス:
違う!



アイリス:
え?



ファイオス:
いや…… その…… すまん。
大きな声を出してしまって。

だが、 違うんだ。 美味いんだ。
本当に。



アイリス:
……そうですか?
ふふ…… よかったです♪



ファイオス:
…………



アイリス:
…… お見送り、
ありがとうございました。
それじゃあ、 ここで……



ファイオス:
また、 いつでも来てくれ。



アイリス:
山菜を持って、 また行きますね。



ファイオス:
ああ…… 山菜は…… 好きだ。



アイリス:
覚えておきます。
じゃあ、 おやすみなさい。



ファイオス:
……ああ、 好きだとも。
少し……苦いくらいがな……



2.2.5. 思い出5




───白の王国の端。
アイリスはその場所が好きだった。


アイリス:
……いい風……


眼下に広がる空と雲。
まるで自分が鳥になったかの
ような景色……


アイリス:
…… だけど、 きっと変わるのね。

私が、 <光の王 >の
跡を継いだとしたら───

───この景色の、 意味も。

後継者争い───と呼ぶほど、
最終的に誰が選ばれるか。


アイリス:
……でも、 わからないことがある。

王を継ぐのに……
最も大事なことは、 なに…… ?

私にそれがあるのなら、
喜んで継ぐのだけれど……

…………

……? あれは……


アイリス:
!! 闇の魔物!

地表も遠い白の王国……


アイリス:
騎士団に報せなきゃ!

アイリス:
!! ダメ、 速い!

アイリス:
……こうなったら……!

───私がやるしかない───!

アイリス:
ルーンよ…… 力を貸して……!



2.2.6. 思い出6





アイリス:
邪なる<>よこの空より、
消え去りなさい…… !

……やった…… !

<>を、払えたわ……!


どこからか、 不思議な声が


アイリス:
……え……?



???:
───<白の巫女 >とは───

───最後の砦───



アイリス:
この声……あなたは……


???:
───必要なのは───
───孤独と向き合い───

───戦い抜くこと───



アイリス:
……孤独と…… 向き合う……

……はい……!

不思議な声は聞こえなくなった───


アイリス:
…… ありがとうございます。
わかった気がします。
覚悟が出来た気がします。

<光の王 >、 その使命に
立ち向かうための、 覚悟が。

私は……守ります。

たとえどんなに孤独でも───

───私だけになっても、
ここに立ち続けます───!


…………
……
{{{#White ほどなくして、 アイリスは
<光の王 >の座を受け継ぐ───-
───しかし───
王とは本当に───孤独なのか───?
世界は一人で支えるものなのか───




光の王
CV: 堀江由衣
アイリス
白の巫女とも呼ばれる、 白の王国の王。
光の力の根源たる<始祖のルーン>を司る。